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虹村視点

貴「……チッ、離せっつってんだろ」


ガンッとAさんが男の股間を蹴り上げた瞬間に、俺は立ち会ってしまった

今日は弁当を忘れて、Aさんが届けに来るって言ってて、もうすぐ着くから取りに行こうと思って外へ出てきた

そしたらAさんが男に絡まれてて、助けてねぇと、と思っていたらそれが起こった

男が股間を押さえてその場にうずくまり、悶絶している

俺は何もされてないのに、俺まで痛い気分だ

い、痛そう…ていうか絶対痛いし……

うわあ…と男としての同情をしていたら、俺の後ろから会社の警備員がバタバタと駆けつけていた

何事だと言わんばかりにAさんを見ている

………いや、待て

そんなことより重大なことがある

Aさんの口調が荒かった

それはもう、かなり

今かなり興奮してる

あのお淑やかなAさんが荒くれた口調で男の股間を蹴り上げたとか、そんなの………

こんなに早く聞けるなんて思ってなかった

あー……もしかして今日、俺にとって最高の日なんじゃねぇ?

なんだなんだと集っている野次馬と警備員でAさんの姿が隠れた

あ、これもしかしてAさん、連れてかれる?


貴「えっと……」

虹「Aさん」

貴「え、うわっ、し、修造くん…」

「お知り合いですか?」

虹「ああ、はい。妻です」

「そうでしたか。今貴方の奥様がこちらの男性を蹴り上げたのでどうしたのかと思っていたんです」

貴「ち、違います、この人がしつこくて」

虹「…俺全部見てたんですけど、それじゃ解放してもらえないですかね?」

「見ていたとは?」

虹「この人が妻に絡んでいて、妻がそれを振り切ろうとしたんですよ」

「……なるほど」

貴「本当です」

「…念のため連絡先を教えてください。何かありましたらご連絡差し上げます」

貴「…はい」


Aさんが警備員に連絡を教えて、その警備員が男を連れて行った

話を聞くためだろう

野次馬もいなくなって、ぽつんと残ったのは俺とAさんだけ


貴「あ、これお弁当…」

虹「ああ、ありがとな」

貴「…さっきの、聞いてた?」

虹「聞いてた」

貴「……やっぱり…」


がっくりと肩を落としたAさんについ笑みがこぼれる

見せたくなかったんだ

…可愛い

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碧夜叉 - ミリイ(灰崎信者)さん» ありがとうございます!!そう言ってもらえて嬉しいです! (2019年4月5日 5時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
碧夜叉 - マリイさん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです! (2019年4月5日 5時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 最高過ぎる碧夜叉さんの虹村さん (2019年4月3日 23時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 碧夜叉様の虹村さんカッコイイ 最高//// (2019年4月3日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2019年3月19日 1時

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