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ピピピッと体温計の音が聞こえる

それでも具合は悪くて、ベッドから起き上がることすらできなかった


灰「……38.6か。結構高いな…でも、今まで高熱が出ても動けなくなるなんてことなかったのに」

貴「…眩暈もするの……あと…吐き気と…足元も覚束ないし視界も霞んで……」

灰「吐いた?」

貴「2回くらい…」

灰「……なあ、姉ちゃん。今日起きてから具合悪いのか?」

貴「そう…だけど」

灰「起きてから水分取った?」

貴「……薬も飲むときに。でもそれも吐いてしまったわ」

灰「やっぱり…」


はぁ、とため息をつかれ、呆れたような顔をされる

…原因がわかったのかしら


灰「姉ちゃんのそれ、脱水起こしてるんだろ」

貴「…脱水……?」

灰「そう。水分不足だから足元ふらついたりすんだろ?早く水分取れ」

貴「……ええ」

灰「スポドリある?」

貴「ない…」

灰「…だよな。買ってくるから待ってろ」

貴「あ、ま、まって…行かないで……」

灰「……このままだと死ぬぞ」

貴「水じゃダメなの…?」

灰「色んな成分が入ってるスポドリとか…そういうやつの方が良いんだよ」

貴「……でも」

灰「…はぁ……それっぽいの作ってみるけど不味くても飲めよ」

貴「……わかったわ…」

灰「まったく、そういうのは虹村さんにやれよな…」


ぶつぶつ言いながら祥吾がキッチンへと向かった

………何だかんだ私の望みやわがままを聞いてくれるのよね

本当に、昔からいい子

少ししてから祥吾は戻ってきて、私に中身の入ったコップを渡した


貴「……これを飲めば良いの?」

灰「ああ」

貴「ん…」

灰「不味い?」

貴「好んでは飲まないけど、味は悪くないわよ。本当にスポーツドリンクみたい」

灰「なら良かった。とりあえずたくさんそれ飲んで、薬飲んで、寝とけ」

貴「……ありがとう」

灰「…おう」

貴「祥吾は…何か用があったの?」

灰「あー、いや特には。暇だったからこっち来ただけ」

貴「そう…。悪いわね、看病させて……」

灰「…姉ちゃん放っといたら死にそうだし」

貴「…大丈夫よ……」

灰「信用できない。良いから寝てろ」

貴「……ええ」


飲み終わったコップを祥吾に渡して、薬を飲む

それを確認した祥吾が私をベッドに寝かせてくれて、上から布団をかけてくれた

ポンポンと軽く叩かれて、思わず笑ってしまった

祥吾が小さい頃、眠れない時にしてあげていたわね

うとうとと微睡んで、私は眠った

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碧夜叉 - ミリイ(灰崎信者)さん» ありがとうございます!!そう言ってもらえて嬉しいです! (2019年4月5日 5時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
碧夜叉 - マリイさん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです! (2019年4月5日 5時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 最高過ぎる碧夜叉さんの虹村さん (2019年4月3日 23時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 碧夜叉様の虹村さんカッコイイ 最高//// (2019年4月3日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2019年3月19日 1時

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