【黒バス】花屋敷 Part3

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虹村視点


Aさんに写真を見せてくれと頼み続けていたら、やっと折れてくれた

はい、と手渡されたのは中学と高校のアルバムらしきもの

…なんだ、あるんじゃねーか

そう言って取り上げられたらせっかくの頑張りが無駄になるので、言わないようにした

まずは中学のアルバムを開く

ぱらっ、とめくって、Aさんを探す

でも全てのクラスのページを見終わってもAさんはいなかった

………見逃したか？


虹「…Aさんって中3はどのクラスだったんだ？」

貴「あ、えーと…………」

虹「……いなくね？」

貴「い、いるわよ？……えっとね、これ…」


Aさんがそーっと指を差す

その先の写真を見て、つい「えっ」と声を出してしまった


虹「えっ、え？これ？マジで？」

貴「…名前、見て」

虹「『速水A』……」

貴「こ、これなの…」


俯きながらそう言うAさんを見て、本当なんだと確信した

いや、名前は合ってたんだけどさ

ただ、めちゃくちゃ目つき悪いし無愛想だし…

今のAさんとは正反対と言ってもいいくらい別人…だな……

………でもめちゃくちゃに顔が良いのは分かる

髪の色も変わってないし、美人だし…


虹「……目つき悪すぎね？」

貴「…そうね」

虹「でもちゃんとこういうの撮影したんだ」

貴「………本当はサボる予定だったし、アルバムもいらないと言ったのよ。当時の担任と大喧嘩してね…未だに覚えてるもの…」

虹「うわぁ…予想以上…」

貴「その時の恋人に宥められて一応撮ったけれど…今見るとすごい顔ね」

虹「…Aさんがこうなったのっていつから？」

貴「えーと、中学3年生…からかしら」

虹「あー、卒アルの時と重なったんだ」

貴「…ええ」

虹「美人なだけに凄むと迫力あるよな〜」

貴「褒めてるの？貶してるの？」

虹「褒めてるって。あ、ここに写ってるAさん可愛い」

貴「ありがとう…」

虹「ははっ、これめちゃくちゃ人相悪いな」

貴「恥ずかしいからあまり見ないで」

虹「やだ、俺の知らないAさんをもっと見たい」

貴「……修造くんって時々そういうこと言うわよね」

虹「ダメだったか？」

貴「いいえ、結構好き」

虹「…Aさんも大概だぜ」

貴「そうかしら」

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