【黒バス】花屋敷 Part3 (ページ12)

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虹「……そんなにじっと見つめてどうした？具合悪い？」

貴「あ、いいえ、そういうわけじゃないの」

虹「それなら良いんだけど」

貴「…………もっとこっちに来れる？」

虹「ん、こう？」

貴「そう」

私は近くに来た修造くんの首に腕を回してぎゅうっと抱きしめた

……人の温もり

『ここにいる』という証拠

…………好き

虹「ちょ、Aさん？やっぱり具合悪いんじゃ…」

貴「違うの、本当に平気よ」

虹「…じゃあ、どうしたんだよ」

貴「………自分でもよく分からないけど、抱きしめたかったっていう理由じゃダメかしら」

虹「めちゃくちゃ良い………」

貴「ふふ、なら良かった。修造くんは暖かいわね」

虹「Aさんはいつも指とか冷えてるけど今はめちゃくちゃ身体が熱い」

貴「のぼせたからね」

虹「危ないから絶対1人の時に長湯すんなよ」

貴「……大丈夫、随分前に祥吾にも言われてるから気をつけてるもの」

虹「灰崎にまで言われたわけ？前科あんの？」

貴「…ここに来てすぐ……かしら？そのくらいの時にね、のぼせてしまってお風呂で倒れてしまったの」

虹「……マジ？」

貴「恥ずかしながら…。祥吾が家に来て、私を探して見つけてくれたんだけどすごく驚いたみたいで泣いてたのよ」

虹「…待ってそれ、灰崎がいくつのとき？」

貴「……5歳とか6歳…かしら」

虹「うっそだろ…怖すぎるって、姉貴が倒れてんの」

貴「そうよね…。身体を揺さぶられて起きてみたら泣きじゃくった祥吾がいるんだもの、驚いたわ」

虹「灰崎が可哀想」

貴「祥吾のそばに電話が転がっていて、何とかあやして泣き止ませて事情を聞いたら救急車かパトカーを呼ぼうとしたって言うのよ。可愛いでしょう？」

虹「消防署と警察に電話じゃなくて乗り物の名前なんだ？」

貴「まだ小さかったから。呼ぼうとしたけど番号がどれだか分かんなくなっちゃったって言われた時は思わず抱きしめそうになったわ」

虹「灰崎のくせに可愛い」

貴「それからきちんと番号を覚えたりしていたわね。そして長湯するなとも言われたわ」

虹「小さい頃の灰崎が可愛いのは分かったけどAさんは相変わらずだな。つか変わってなくね？」

貴「失礼ね、少しは変わったわよ？あの時に比べたら随分丸く…、何でもない」

虹「…丸く？丸くって何？昔は穏やかじゃなかったのか？」

貴「何でもないわ。さて、ご飯にしましょうか」

私は立ち上がってキッチンへ向かう

後ろから修造くんが追ってきた