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……最近、修造くんが来てくれない
3年生に上がって忙しいのかしらね
そう思っていたけれど、あんまりにも来てくれないからもう来ないのかと思い始めた
こうやって恋が終わるのはあまり…嬉しくないわね
祥吾に聞いてみると、元気そうだったと言っていた
それは良かったけれど、やっぱり会いたい
日に日に想いは強くなるけど、会いに行くなんて絶対に無理
出たのがバレたらどうなるか…
悩みに悩んでいたらいつかの分のサプリを飲み忘れたらしい
それのせいで倒れてしまった
しかも窓を開けたまま
目を覚ましたら寒いし、頭も少し痛いし、最悪だと思っていたらインターホンが鳴った
こんな時間に誰かしら、祥吾?と思って念のため外を確認するとそこには修造くんがいた
思わず勢いよく扉を開けて、久しぶりに見る顔に嬉しくなる
その勢いのまま修造くんにぎゅうっと強く抱きついた
……………
わ、私は……何をやっているのかしら
ど、どうしましょう
どうしたらいいかしら
えっと…
考えた結果、謝りながらそっと離れた
心臓がばくばくと暴れている
こ、こんな…こんな、好きな人に思い切り抱きつくなんて今までしたことがなかったのに…
ああどうしましょう
修造くんの感触が残ってる
柔軟剤のいい匂いがして、回した腕で感じる筋肉が男の人のもので、修造くんもやっぱり男の子なんだなと思った
いや、今まで女の子だと思っていたわけじゃなくって、しっかり男の子の認識だったけど……
………なんか、改めて意識してしまって…
ダメね……こんな…10歳も下の子に…
どうせ相手にされないのに
相手にされても遊ばれて終わりなのよきっと…
でもそれで良いから叶わないかしら
虹「Aさん」
貴「えっ、」
虹「やっぱりAさんのお菓子、美味い」
貴「…本当?嬉しいわ」
…分かってるわ
修造くんは遊んで捨てるなんてことしないでしょうし
ということは告白しても丁重にお断りされるだけ
それはそれで悲しいものね
貴「まだあるから、いっぱい食べてね」
虹「ん!」
貴「私も久しぶりにお菓子を食べてもらえて嬉しいわ。食べてくれる人がいると作り甲斐があるもの」
虹「……最近来れなくてごめん」
貴「あら、良いのよ。忙しいんでしょう?」
虹「ん…まあ」
貴「それなら無理に私の所へ来なくても良いのに」
虹「俺が来たいから来たの」
貴「ふふ、そう」
その返答1つで舞い上がる私は安い女ね
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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時