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虹村視点

なんか急に灰崎に主語のない質問をされた

何かと思ってればAさんのことで、ああって納得した

コイツも弟らしく心配とかするのか

…なーんて関心していると、「好きなんだろ」と言われた

動揺のあまり嘘をついたけど、灰崎にはバレていたらしい

いや、だって………そんな…実の弟にバレるとか気まずいじゃねぇか

でもまあ……話を聞いたら灰崎の初恋がAさんだとか言うし…

正直俺よりもやべぇなって思った、アイツにとってAさんは身内だし

ただ俺にも歳が離れててあんなに綺麗な姉がいたら初恋を奪われてたろうから、仕方がない感じがする


虹「………Aさんさぁ、恋人いねぇって言ってたんだよ」

灰「ああ、いないんじゃねぇの?俺、暫く会ってねぇし」

虹「……会ってたのか」

灰「でも1人だけな。俺もかなりガキだったし覚えてねぇだけかもだけど」

虹「最後に会った人ってどんな人だったんだ?」

灰「あー…俺とよく遊んでくれたな。優しかったし、姉ちゃんとも仲良さそうだったし」

虹「……ふうん…」

灰「まあ死んだけどさ」

虹「…Aさんから聞いた」

灰「あれは結構ショックだった。姉ちゃんもショック受けてたし」

虹「あー…やっぱりそうだよな」

灰「でも少ししたら吹っ切れたみたいで元気そうだった」

虹「未練とかねーのって聞いたら亡くなった人を想っても仕方ないって言ってたわ」

灰「はは、姉ちゃんらしい。薄情だなとか思った?」

虹「いや、別に…。ただ、未練がないって分かって嬉しくて、わりと自分って最低な奴だなって思った」

灰「へーえ、アンタもそういうこと言うんだな」

虹「人間だからな」

灰「そりゃそうか」

虹「…………でもAさんは俺のこと弟と同じような感じなんだろうな」

灰「まあ、歳が10も離れてたらな」

虹「本気にされねぇよな〜〜…」

灰「……もし本気で姉ちゃんを幸せにするってなるとそれ相応の覚悟が必要だぜ」

虹「…なんで」

灰「あそこから連れ出そうとしたら父さんがうるさいだろうし」

虹「………そうか」

灰「あれは厄介だから」

虹「…そう、だよなぁ」

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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