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虹村視点

虹「…なあ、Aさんが今まで付き合った人ってどんな人だった?」

貴「え?」

虹「なんとなく気になってさ」


人間ってバカだよなぁ

こうやって自分の首を絞めるんだ

どうすんだよ、自分には努力してもなれないような男の話が飛び出たら


貴「えーと、そうね…1人目は……」

虹「…うん」

貴「ちょっと待ってね、思い出すから」

虹「…そんなに記憶に残らない奴だったのか?」

貴「というか…中学生の頃だから記憶を呼び起こすのに時間がかかるの」


…中学生……

てことは一番最初に付き合ったのは中学生だろ?

今の俺と同じくらいか…


貴「あ、思い出した。確か背の高い…優しい男の人だったわ」

虹「優しい…」

貴「とても優しくしてくれたけど、ダメになったわね。2人目は、えっと、」

虹「次はいつ頃?」

貴「中学の後半かしら。3年生になってからよ」

虹「へーえ」

貴「ええとね…あ、確か運動部の主将をしていたわ。それと、あとは…手の早い人だったわね」

虹「……手が早い…」

貴「もちろん軽くあしらったけど」

虹「そ、そうか」


Aさんの話で一喜一憂している自分がバカらしくなってくる

でもあと2人、聞いておかないと気になるじゃねぇか


貴「3人目は…付き合ってすぐに手を出されかけたわ」

虹「えっ」

貴「だからすぐ別れたの。手は出されていないわ」

虹「……良かったな」

貴「ええ」


良かった、本当に良かった

もし手を出していようものなら探し出して殴ってた


虹「それはいつ?」

貴「高校の最初よ」

虹「…そっか」

貴「次が最後で、高校…1年の後半から卒業まで付き合った人よ」

虹「…すげぇ長くね?」

貴「長続きしたわ。私もとても好きだったし、多分あっちもだったと思うの」

虹「………何で別れたんだよ。別れなかったら今頃結婚してたかもしれないのに」

貴「ふふ、その人ねぇ、死んじゃったの」

虹「……死んだ?」

貴「確かバイクでトラックと事故を起こして、そのまま」

虹「…悪い」

貴「あら、もう昔のことだもの。良いのよ」

虹「でも好きだったんだろ?」

貴「好きだったわ。こんな私でも受け入れてくれて、『幸せにしてやる』なんて言うのよ?あの頃は嬉しくって喜んだわ」

虹「…その人が死んで、泣いた?」

貴「ちょっとだけ」


照れたように笑うAさんを見て、少し胸が痛くなった

…好きな人、亡くなってたのか

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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