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虹村視点

………そうして俺は、今日もAさんの家へ来た

具合悪いの、治ったかな

インターホンを押すと、Aさんが出てきてくれた

顔色が良いから、多分もうあまり具合悪くないんだろう


貴「…なんだか変な感じね」

虹「何が?」

貴「朝に送り出して、夕方にまた会うなんて…」

虹「あー、まあな」

貴「……ふふ、おかえりなさい」

虹「ッ……ただいま」


くそっ…かわいい……‼

好きだって自覚する前から思ってたけど、自覚してからだとめちゃくちゃ可愛く見える

可愛いし、綺麗だし………

やっぱり……恋人、いんのかな

気になりながらも靴を脱いで、二階へ上がる

前を歩くAさんが、少しだけ足を引きずっていた


虹「…Aさん、足…痛ぇの?」

貴「え?ああ…少しだけ。でもきっとすぐ治るわよ」

虹「………ふうん、そっか」

貴「歩けているからまだ大丈夫」

虹「まあ…そうだろうけど」


部屋に着いて、いつも座っているところに座る

…………昨日はこの部屋で寝たのか

なんか、変な感じ

Aさんがいつものようにお菓子を出してくれた

…美味い


虹「………Aさんさぁ、」

貴「ん?」

虹「……恋人とかって、いんの?」

貴「恋人…?どうして?」

虹「いや、別に意味はなくて、その…なんとなく」

貴「そう。恋人…恋人ねぇ……」

虹「なに?」

貴「いてもおかしくない年齢だけれど、残念ながらいないのよ」

虹「そ、そうなのか」


…………いないんだ

良かった……


貴「…やっぱり変よねぇ。もう…24なのに、恋人がいないなんて」

虹「へ、変じゃねぇよ」

貴「……ふふ、ありがとう」

虹「別に、恋人を作らなきゃいけないなんて決まり、ないだろ?」

貴「…ないけれどね。でも私はこんなだから恋人なんて作れないと思うし、結婚も出来ないと思うわ。ずーっと1人で生きていくのよ」

虹「…………Aさんは、それで良いの?」

貴「いつまで生きられるかも分からないし、良いと思うわ」

虹「…寂しくねぇ?」

貴「意外と人間は1人でも生きていけるのよ?ふふ、でも修造くんはきっと可愛い彼女さんがいるのかしらね」

虹「俺は…いねーよ」

貴「あら…そうなの?」

虹「いたらこんな頻繁にここに来ねぇよ」

貴「ふふ、確かにそうよね」

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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