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虹村視点

Aさんの看病をしていたら途中で寝てしまった

ベッドに突っ伏して寝ていたらしい

起きたらAさんに頭を撫でられていた

なんか心地いいと思ったら、Aさんだったのか

可愛いとか言われて、Aさんの方がって言ったら余裕そうに返された

大人の余裕って本当、ずるい

それに、Aさんを見てたらドキドキするし…

なんだろう…大人の色気的な?

…………俺、Aさんのこと好きなのかな

Aさんの余裕な顔、崩したくなる

…そう思って、ダメ元で泊めてくれって言ってみた

いや、Aさんが心配だったのは本当だけど

………子供だから甘えたくなるんだって言いながら

そしたらAさんは一度断ったけど、悩んで、良いと言ってくれた

今日だけという約束をして

良いと言われて嬉しかった

適当にコンビニで飯を買って、それをAさん家で食って、風呂を借りた

お風呂から上がったら使ってね、と言われて渡されたスウェットは多分灰崎のだろう

少し小さいな


虹「Aさん、風呂…上がった」

貴「あ、そのスウェット…やっぱり少し小さかったわね」

虹「でもないより全然良い。ありがと」

貴「良いのよ、祥吾のだけれどずっと使っていなかった服だから」

虹「…そうか」

貴「あと、お布団はこれを使ってね」

虹「うん。…あ、Aさん、いいよ。俺が自分でやるから」

貴「でも…」

虹「Aさんは具合が悪くて足もケガしてるんだからあんまり動かない方が良いだろ?」

貴「………そうよね」

虹「足、見せて」

貴「ん…」


Aさんの足に巻いている包帯を取って、湿布も剥がした

……悪化はしてないみたいだけど、腫れが引かないな

でも歩けてるみたいだし、骨折の心配はなさそうだ

安静にしてたらそのうち治るだろ

俺は同じように処置して、包帯を巻いた


貴「ありがとう、修造くん」

虹「うん」

貴「明日も学校でしょ?早く寝ないと」

虹「………明日、Aさんは病院に行くのか?」

貴「病院……いいえ、行かないわ。平気だもの」

虹「…そっか……」

貴「さすがに歩けなくなったら行くわよ」

虹「どうやって行くつもりだよ、それ」

貴「うーん…タクシーとか」

虹「…俺のこと呼んで良いから、絶対一人で行くなよ」

貴「ええ、ありがとう。さあ、寝ましょう?」

虹「…ん。おやすみ」

貴「おやすみなさい」

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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