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貴「………ん」


ゆっくり瞼を開けると見慣れた天井が見えた

………結構、眠れたわね

ッ……まだ頭が痛い…

でも眠る前より意識がはっきりしてる

薬…効いたのかしら

身体を起こしてみると、修造くんがいた

いた、というか、寝ていた

それはもう、すやすやと、ベッドに顔を伏せて

あらまあ………

…………かわいい…

…起こそうかと思ったけれど、寝させてあげましょうか

きっと疲れてるのね

確か部活の練習が大変だって、祥吾が言っていたし

……私ももう一度寝ようかしら

でも一度起きてしまったし、またすぐ寝るのも…

………。

私はそっと修造くんの頭を撫でる

…サラサラしてるわね

黒髪…少し硬いけれど、指通りが良いわ


虹「……ん、」

貴「あ……」

虹「おれ…寝てたのか……ごめん…」

貴「い、いえ良いのよ。それよりごめんなさい、起こしてしまったわ」

虹「いや、起こされたわけじゃないから…大丈夫」

貴「そう…それなら良いんだけど」

虹「あー……看病してたのに寝ちまった」

貴「ふふ、疲れてたのね。可愛かったわよ」

虹「そんなこと言ったらAさんだって、…可愛かったし」

貴「あら、そう?照れるわね」

虹「…………余裕な感じ」

貴「大人だもの」

虹「ずるいよな…。つーか、具合は?」

貴「まだ少し頭痛がするけど、熱は下がったみたい。ごめんね」

虹「何で謝るんだよ、熱が下がったなら良いじゃん」

貴「……随分と見苦しいところを見せてしまって」

虹「…そんなことねぇよ。俺はAさんの色んなところが見れて嬉しい」

貴「…………まったく、そんなセリフ、何処から覚えてきたの?」

虹「…別にそういうんじゃない」

貴「……ありがとう、修造くん。もう今日は暗いし、」

虹「倒れねぇ?」

貴「…きっと大丈夫」

虹「ちゃんと、薬飲むか?それから、そんな足で動けんの?」

貴「…大丈夫よ」

虹「………なあ…Aさん」

貴「なぁに?」

虹「今日、………えっと、泊まっていっても、良いか?」


修造くんが真剣な顔を赤らめてそう聞いてくる

……


貴「…ダメ。ご両親が心配するわ」

虹「今日は、帰ってこねぇ」

貴「でも…」

虹「なあAさん。俺、子供だから甘えたくなるんだよ」

貴「……あ、貴方こそ…ずるいわ…」

虹「じゃあ…泊めてくれんの?」

貴「…今日だけよ」

虹「本当か⁈」

貴「あ、明日は、帰るのよ…?」

虹「ああ!」


ニコニコと修造くんが笑っている

…絆されたわ

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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