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貴「…でもごめんね、今日は帰ってくれないかしら。さっき階段から落ちてしまったし、具合も悪くって……だから、」

虹「あ、て、手当て!手当て、するから!1人じゃ大変だろ⁈」


バタン、と扉を閉めてきちんと鍵までかけた修造くんは靴を脱いで私のところまで来た


貴「………平気よ」

虹「…嘘だ。落ちたんだから身体痛いだろ?ほら、足だって引きずって…うわっすげぇ腫れてるじゃねぇか!」

貴「………肩を借りても良いかしら」

虹「もちろんだ。ほら、歩けるか?」

貴「大丈夫よ、そんなに心配しないで」


修造くんの肩を借りて、お風呂まで歩いていく

脱衣所まで来たものの…


貴「…あの、何処までついてくるのかしら」

虹「は?ここに手当ての道具があるんじゃないのか?」

貴「え?あ、違うのよ…ごめんなさい紛らわしくて……。私、今からお風呂に入るところだったの…」

虹「ふ、風呂⁈わ、悪い、脱衣所の外に出てるから!」

貴「…私が中に入ったら、ここにいてくれないかしら。お話がしたいわ」

虹「………アンタが良いなら…」

貴「お願いね」


私がお風呂に入ってから、脱衣所に入ってきた気配がした

ストンと腰を下ろした音がする

………何故か今は1人になりたくなかった

こんな無茶なお願いを聞いてくれるなんて、素直な良い子ね


貴「修造くん」

虹「んー」

貴「今日は随分早かったのね」

虹「午前授業で部活なかったから」

貴「あら、良いわね。お昼ご飯は?」

虹「食ったけどまだ腹減ってる」

貴「さすが成長期ね。今日もお菓子を用意できたら良かったけど…あ、でも貰い物のお菓子ならたくさんあるから、あとで出してあげる」

虹「いいよ、それよりもアンタの手当てが先だろ」

貴「……修造くんは優しいわね。あのね、さっき……父親が、来てたの」

虹「父親?」

貴「安否の確認とストレスの発散にたまに来るのよ。今日も………」

虹「……何かされたのか?」

貴「頬を張られて、首を絞められて、お腹を踏まれて、鉢植えを投げつけられて……他にも、されたわ」

虹「…………警察とかには?」

貴「言わないわ。きっと揉み消される…それに、言ったのがバレたら何をされるか分からないもの」

虹「……ケガ、とか」

貴「………分からないだけでしているかもね」

虹「一緒に手当てしてやるよ」

貴「…ありがとう。それから…インターホン、2回鳴らしてくれたのにごめんね」

虹「別にいいのに」

貴「聞こえなくて、気づかなかったわ」

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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