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虹村視点

これ以上どう変えろって言うんだ

様でもつけろって言うのか?


貴「名前で呼んでほしいの」

虹「…は?」

貴「『速水さん』じゃなくて『Aさん』が良いわ」

虹「………それは…」

貴「ダメかしら?」

虹「……………良いけど」

貴「本当?嬉しい」


ぱっと、それこそ花が咲いたように笑った速水さん…Aさん、だな

………可愛い

俺と10個も離れてんのか…

そんな感じしねぇな


貴「呼んでみて」

虹「…いや、恥ずかしい」

貴「ここには私と貴方しかいないから平気よ」

虹「………ん…………、…Aさん」

貴「…ふふ、なんだか照れるわね」

虹「俺は恥ずかしい」

貴「虹村くん、可愛い」

虹「…アンタはそのままかよ」

貴「あら、名前で呼べって言うの?」

虹「フェアじゃないだろ」

貴「……修造くん。で、良い?」

虹「…………良い」


……大人の余裕ってやつか…

普通に呼ばれたし俺が恥ずかしい


虹「…なんか余裕そうでむかつく」

貴「修造くんより10年長く生きてるもの」

虹「そうだけど」

貴「ふふっ…。あら、もう真っ暗じゃない。もう帰る?」

虹「……ん、そろそろ帰る。弟たちに飯作ってやんないと」

貴「貴方が作るの?」

虹「今日は母さんが親父の病院に付き添ってるから、帰り遅いんだ」

貴「お父さん、どうかしたの?」

虹「入院すんの、今度…春から」

貴「た、大変じゃない!こんなところに来ている場合じゃないわよ…」

虹「俺に出来るのは見舞いくらいだし、今は平気」

貴「そ、そう…貴方が良いなら良いんだけど」

虹「だからたまに相談乗ってくれよ」

貴「ええ、お安い御用よ」

虹「じゃあ、俺帰るな」

貴「玄関まで送るわ」


2人で立って、いつものように階段を降りる

Aさんは身体が弱いから、見送りは玄関までで良いと言っている


貴「…初めて会った時より身長が伸びたんじゃない?」

虹「成長期だから」

貴「どんどん目線が高くなって少し寂しい気もするわ」

虹「屈めば近くなるだろ」

貴「…そうね、じゃあ屈んでね」

虹「おう」

貴「外は寒くて暗いから気をつけて」

虹「ん、じゃあな。アンタも身体、気をつけろよ」

貴「ええ、ありがとう。またね」


俺はいつも帰るのと同じように外へ出る

暖房で少し熱かった身体が外の冷たい空気で冷やされていく

それが気持ち良かった

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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