33話 ページ34
ドスッ
なんかお腹に直撃がきて目が覚めた。
「いっつう…」
何だ!?そう思って目を開ける。
昨日は3人で話したまま寝てしまったらしい。
「んー…むにゃむにゃ」
ベトナムの声だ。
ふとベトナムがいるはずの右を見るとベトナムはいなかった。
え!?と思い、よく見ると、なぜか布団と垂直になって寝ているベトナムが見えた。
そしてその足は私のお腹付近にあった。
…ああ、さっきの痛みはこれか。
…しかし本当に寝相が悪いんだなぁ…。
目覚めてしまったものは仕方ない。時計を見ると7時前である。
あ、昨日より寝坊してしまった…。
身支度を終え、ふと居間を除くと、新聞を読んでいる日本さんが目に入る。
その奥のキッチンからは美味しそうな匂いと何かを炒める音。
あ、2人とももう朝の日課を終えたんだな。
「おはようございます」
「おはようございます、Aさん。よく寝られましたか?」
「はい。」
「あ、ちょうど良いとこに!A、手伝うあるよ。日本も!」
「Aさんよかったですね!中国さんが料理を手伝わせるのは、料理の腕を認めた方だけなんです」
「Aは菓子作り上手いあるよ。腕も確かある。心置きなくキッチンを貸せるある!」
「中国、昨日私が作ってる横で夕飯の支度してたのってもしかして使わせるか否かの判定のため…?」
「ち、ちげぇある!夕飯の支度あるよ!」
まあ、そういうことにしておきましょう。
7時頃にマカオさんとタイさん、少ししてベトナムと台湾が起きてきた。
「A起きるの早いネ!」
「す、すまない、A…。多分何回か蹴った気が…」
「いや大丈夫。でも布団と垂直に寝てるベトナム見たときはびっくりした」
「あれはまだ良い方だ。いつもなら枕が足の下にあるからな」
「それ、180度通り越して270度回転したんじゃない…?」
「いや私の回り方は右回りって決まってるんだ!」
「あと台湾!昨日私を真ん中にしたのって自分をベトナムから守ったの!?」
「ち、違うヨ!でもベトナムは右にしか回らないから、頭でお腹を潰されることはないから大丈夫ヨ!」
「いやどこも違くないでしょ!計算済みだよね!?」
そう言ってデコピンを食らわせる私。
そんな風にはしゃぐ様子を見て
「楽しそうですね〜」
「ふむ、賑やかですね」
「少々朝にはうるさいですがね…でも見ていて微笑ましいです」
「ほんとある。あー女子って羨ましいあるな。」
と皆、特に中国が呟いていたことをAは知らなかった。
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