検索窓
今日:14 hit、昨日:48 hit、合計:21,578 hit

*《2》 ページ46

まさか、忘れたのか?
いや、俺が"こんな姿"だから気付いてねぇのか?

……それとも、嫌いになった、とか……?

嫌な汗が首を伝う。
さっきまで暖かくリズムを刻んでいた鼓動は、今は死なない筈の俺を殺さんばかりに冷酷に律動している。

な、なあ、Aだよな?
もしかしたら覚えてねぇかもだけど、俺お前に凄く助けられてたんだぜ?
本当に忘れちまったのかよ?
なあ、俺の名前、言えるか……?

「…………」

ふるふると首を横に振るA。
ズキン、と何か鋭く凶悪なものが胸に突き刺さった気がした。

(何で……何でなんだよ……)

もう何処を見れば良いのか分からない。
その場に居るのが耐えられなくなった俺は、すぐに此処から逃げ出そうとした。

……その時。

「Milda vento...karesas vangon...」

「……!」

あの時の"女神"の声が、森に響き渡った。
昔、何度も聞いたこの声。
落ち込んで森に行く度に、何度も励ましてくれた声。
……Aが今、歌っている。

「Ondo sono...lulas min...」

すると、そいつの背中から何かが光り始めて、やがてそれらは大きな翼を形成した。
それも、あの時見たのと同じくらいの。
違う所といったら、それが本物の翼じゃなくて、何か女神の力みたいなので創られたって所か。

「Korpo streĉo...」

「……malligiĝatas...!」

あの時より一オクターヴ低くなった声で、その歌に混ざった。
今でも覚えてる、今でも歌える。

「あっ……?」

歌が止まった。
女神が驚いたんだ。
ついやっちまった。
別に俺の為に歌った訳じゃねぇのに。

「あ、いや、今の、は」

「……私のこと……知っているのね」

心底不思議そうな目で、Aは俺を見つめてくる。
やっぱり、本当に分かんねぇのか……?
……もしかして、他の奴らみたいに"記憶を破られた"のか……?

「A」

「……ん」

……だとしたら、俺の事忘れててもおかしくないか。
だったら、思い切って聞いてみる。

「俺の事、覚えてる?」

「……どちらさまで?」

困ったように笑って、女神はそう答えた。
……ように思えた。

「……ああ」

……そんなこったろうと思ったよ。



絶対、思い出させてやる。



-----


さーーちーーーん!君のおかげでずっと困ってたE子のお話が進めやすくなったよーー!!
……ふっふっふ。

【D】僕達ゲーマーなんで。《1》【十文字アタリ】→←【E】そんなこったろうと思ったよ《1》【サーティーン】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
35人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

愛里(プロフ) - この小説大好き。もっと挿絵を増やして欲しい!Twitterフォローしたよ。 (2018年9月2日 16時) (レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 悠真さん» ありがとうございます!!!!そう言われると私も好きになります!!!!(最敬礼!!!!!)(もちつけ) (2017年12月27日 21時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
悠真(プロフ) - 好きです……ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2017年12月27日 0時) (レス) id: 238371ad35 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 李暗さん» バレてしまっては仕方ない。← (2017年12月26日 15時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
李暗 - まじめな顔で面白い事をする鬼神様…第2期…鬼灯ですか? (2017年12月26日 13時) (レス) id: 32a03187a4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レウィシア | 作成日時:2017年11月19日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。