＊《４》 ページ38
「わあーっ！」
「あれが、お姉ちゃんが言ってたりょかん？」
列車を降りての事。
駅前からタクシーに軽く一時間半飛ばされ、やっと見えてきたのが本日泊まる"火の館"。
入口では、二つのランプが両横で来客を待っている。
女子達がその建物を上空から見下ろして、きゃあきゃあと歓声を上げている。
……随分と楽しそうだ。
「マッハさん、あの旅館の前で降ろして頂戴」
「……ああ、分かった」
マッハさんは高度をゆっくり落としながら、その旅館に近付いた。
ちなみにこの運転手、昔は箒乗りでレーサーをしていたのだが、引退してからは絨毯の免許を取り、現在の"絨毯タクシー運転手"という職業に就いているという。
……実は同期生。
「……着いた」
「どうも有難う。
これお代ね」
「……どうも」
預けた荷物を取って降りれば、その絨毯は次の客を探しに空高く舞い上がった。
きっと彼に会う事も当分無いだろう。
リリカとコクリコットが、まち切れないといった顔で旅館に入ろうとする。
……と、入口両横のランプが動き出したので、二人が驚いてひっくり返ってしまった。
「ああ……それ、人が来るとお辞儀するのよ。
勿論害は無いから安心しなさいな。
……割らない限りは」
「……いや普通に考えて割っちゃ駄目だろうよ」
今の彼女達は尻餅をついた痛みよりも未知への好奇心が勝っている様だ。
直ぐに起き上がって、再び歩き出した。
柱の部分をふにゃりと曲げてお辞儀をしているランプ達に軽く手を振って先へ進むまといやジャンヌの後ろでヴィオレッタはランプの光を不思議そうに見つめ、一方でマリアは顔(らしき部分)に向かって殴るふりなどして遊んでいる。
「こら。良い大人が何を遊んでいるのよ」
「ねえ、あのランプの火は魔法の火なの？」
「火は普通の。
灯す時には魔法を使っているらしいけど」
「あの子お辞儀以外の反応が無いわぁ、つまらない」
「本当に割ろうとしない限り避けたりしないのよ。
リリカ、コクリコット、余り離れては駄目よ」
「「はぁーい」」
先頭二人に早足で続く私と、花火師と聖女。
その後ろで音楽家も小走りでついてきて、さらに後ろには薔薇騎士が遊び足りなかったのか少々不満げに歩いていく。
そして私達が門を過ぎれば、ランプの柱はお辞儀をやめ、再び真っ直ぐになり元に戻るのだった。
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愛里(プロフ) - この小説大好き。もっと挿絵を増やして欲しい！Twitterフォローしたよ。 (2018年9月2日 16時) (
レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 悠真さん» ありがとうございます！！！！そう言われると私も好きになります！！！！（最敬礼！！！！！）（もちつけ） (2017年12月27日 21時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
悠真(プロフ) - 好きです……ｯ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2017年12月27日 0時) (レス) id: 238371ad35 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 李暗さん» バレてしまっては仕方ない。← (2017年12月26日 15時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
李暗 - まじめな顔で面白い事をする鬼神様…第2期…鬼灯ですか？ (2017年12月26日 13時) (レス) id: 32a03187a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レウィシア | 作成日時：2017年11月19日 1時
