【★】百年経たない内に《１》【女子数名】 ページ35
「……魔界を観光したい？」
小悪魔と魔法少女が唐突に言ってきたのだ。
要するに、私の元いた世界について知りたい、と。
先程まで読んでいたのか、魔法少女の腕には"人間でも大丈夫！魔界観光ガイドブック"と書かれた本が抱えられている。
「テディラビも、きょうみあるんだって」
「リリカも魔法少女だから、こういう世界ちょっと気になるの！」
「ああ……」
きっと今の彼女らの視界は、それはそれは煌びやかで輝かしいのだろう。
おそらく、二千ルーメンくらい。
……眩し過ぎて失明する。
「それで、私に案内して欲しいと」
「「うん！」」
「……」
元気良く声を揃えて言った二人に、私は軽く溜息を吐いた。
別に嫌という意味では無いのだが……いや別に彼女らの為に案内したいという訳でも無いが、私が此処で断ると彼女らだけででも言ってしまいそうで危険というか、いや別に心配している訳では……。
「あのね、ヴィオレッタお姉ちゃんも行ってみたいって」
「そういえば、まといさんも気になるって言ってたなー」
「そ、そうなの……」
「それから……」
二人は気付いていない。
こうして今挙げられた数人……具体的に言うなら、音楽家に花火師、更には聖女や薔薇騎士が二人の後ろに、私達を囲む様にして立っている事を。
そして彼女らのしている鉢巻や団扇、扇子等に"ＹＥＳ！魔界"、"LET'S GO!MAKAI"等とポップ且つ怪しげな字体で書かれてあるのを見て、二人の言っている事は本当だったのだと知れば、私はもう一度溜息を吐くのだった。
しかしこうなればもう止むを得ず、不承不承、嫌々ながら、それはもう本当に本当に仕方無く、渋々承諾せざるを得ないのである。
二人にそれを伝えると、其処を中心に数人の女子達の歓声が沸き起こり、後ろの四人はそうと決まればと準備をしに各々の家へと走って行ってしまった。
二人も私達に元気に礼をすると、同じ様に家へ戻った。
……この様な状況、以前にも一度あったような。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛里(プロフ) - この小説大好き。もっと挿絵を増やして欲しい！Twitterフォローしたよ。 (2018年9月2日 16時) (
レス) id: 95c5af7e07 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 悠真さん» ありがとうございます！！！！そう言われると私も好きになります！！！！（最敬礼！！！！！）（もちつけ） (2017年12月27日 21時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
悠真(プロフ) - 好きです……ｯ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ (2017年12月27日 0時) (レス) id: 238371ad35 (このIDを非表示/違反報告)
レウィシア(プロフ) - 李暗さん» バレてしまっては仕方ない。← (2017年12月26日 15時) (レス) id: b8b95089d5 (このIDを非表示/違反報告)
李暗 - まじめな顔で面白い事をする鬼神様…第2期…鬼灯ですか？ (2017年12月26日 13時) (レス) id: 32a03187a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レウィシア | 作成日時：2017年11月19日 1時
