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*元太side




カチャカチャとコントローラの弄る音とゲーム音が響く




「うっわ、元太強いね、負けそー」




「いや海人こそ!」




ゲームでも勝負は勝負だ。




勝ち負け着くならやっぱり負けたくないのが本音。




「ぅわーー!やっぱつえぇ」




「いやまじ危なかったー!」




あともう少しのところで俺は負けてしまった




ゲームをしている時、ふと俺はずっと気になっていたことを聞いてみた




「海人ってAさんとどんな関係?」




そう言うと待ってましたと言わんばかりに




「彼氏♡」




なんて言うもんだから




「えっ!?」




と言ってしまった




「じょーだん。彼氏って言ったらどんな反応するかなって思って」




またいたずらっ子のような笑みを浮かべる




まだ話して数時間だけど分かったことがある




この人絶対性格悪い。




「はーい!また俺の勝ちー!」




俺が油断している隙に負けていた




「うわ、ずるっ!!」




そして、海人はコントローラーから手を離して




「まあ本当はただの高校の同級生だよ」




そう言った海人の顔はどこが切なく見えた




「んで、お前、Aのこと好きなんでしょ?」




ストレートにそう言われて俺は無言になってしまった




「…どうなんですかね、なんか俺もう最近自分で自分がわかんなくなってきちゃって」




こんなこと言って海人を困らせるって分かってた




分かってたはずなのに




「…まあ、いんじゃね?最終的に決めるのは自分なんだし正解とかないっしょ」




意外と簡潔的な返答で驚いて海人の横顔を見つめた




海人は俺の目線に気づいているのだろうが目線はテレビに向けたまま




「元太は元太らしくすればいーと思うよ」




「俺は俺らしく………」




海人の言葉を自分に言い聞かせるようにその言葉を繰り返した




「ま、自分じゃ自分らしいなんてイマイチ分からないけど」




なんだか海人の言葉で少し心が軽くなった気がした

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作者名:ゆい | 作成日時:2021年8月10日 16時

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