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*元太side




ようやく繋がった電話




家知ってれば今すぐにでも向かったのに




なんて過去の自分に後悔した




今から行くと言ってるのに弱い所を見せたくないのか遠慮するAさん




その時急に「え?」と声がした




その脈絡のない「え?」という言葉に俺は動揺して




「どうしたの?」




と声をかけると




「おいで、住所送っとくから」




返ってきたのは聞き覚えのない男の声だった




通話が切れた後、すぐに現在地が送られてきた




俺はすぐに支度をして家を出た




道中、色んな感情が頭を駆け巡ったがそれよりAさんが心配だという気持ちが上回った




そしてついに到着した




先程買ってきた経口補水液や缶詰の果物等さっぱりしてて食べられそうなものを購入した袋を提げている




少し緊張しながらインターホンを鳴らす




ガチャ、と扉が開くと案の定見知らぬ男の人が出てきた




「いらっしゃい、待ってたよ」




背の高いその男は別に嫌味ったらしくもなく普通に中へと上げてくれた




初めてのAさんの家に心が少し踊った




「A、部屋にいるよ」




そう言って寝室であろう部屋を指さす




その部屋の前に行くと眠りにおちていた為部屋に入ることをやめた




振り返ると俺が口を開くよりも先に男が喋り始めた




「元太くん、だよね?Aから話は聞いてるよ」




A………俺はさん付けなのに




少し羨ましく思ったりした




「そうです、松田元太です。急にお邪魔してすみません」




ぺこりと頭を下げた




「俺、中村海人。元太くんの2個上だけど堅苦しいの苦手だからタメでいーよ、あと海人って呼んで」




「あ、ありがとうございます、俺も元太でいいっすよ」




そう言うと冷蔵庫を開けて「お茶でいー?」と聞いてくる




「俺やるからいいよ!」




「いやいいよ、座ってて」




そう言われるまま俺はソファーへ腰掛ける




勝手にこれ使っちゃっていいかな〜なんて食器棚からグラスを2つ用意する海人




そしてそれをそのままリビングへと持ってきてくれる




少し気まずいな、何から聞こうなんて考えていると




「元太さ、ゲームとかする?」




「まあ、割と?」




そう言うなり、よっしゃと言いながらテレビゲームの電源を入れた




「やろーぜ」




いたずらっ子のような笑みを浮かべながら俺にコントローラーを渡してきた

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作者名:ゆい | 作成日時:2021年8月10日 16時

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