【第9話】学校 ページ10
先生の話を右から左へとテキトーに聞き流しながらぼーっと空を見つめる。
ギラギラと強い日差しを照り続ける太陽、
雲一つない澄んだ空、
校庭から聞こえる体育の授業の生徒たちの声、
そして私の隣には……
『あのー、トド松くん？
さっきから視線が痛いんだけど…私なにかした？』
何故か朝からずっとニコニコと笑いながらこちらを見てくる隣の席のトド松くん。
こうもずっと見られては居た堪れない気持ちになってくる。
トド「ん〜？別になんでもないよ」
そう言いつつも視線は変わらずこちらに向いたまま。
本当になんなんだろう。
このままじゃ授業に集中できない…、もとから集中してなかったけど。
どうしようかと考えていればチャイムが鳴り授業が終わった。
次の授業の準備をするためにロッカーへ向かおうと席から立ち上がった瞬間、立ち眩みが起こる。
あ、倒れる
力が入らない体が重力に逆らうことなく前へ倒れていく。
しかし、ふいに誰かの腕が私の腰に手をまわして支えてくれたため床に倒れずに済んだ。
ふわっとほのかに香る甘い匂い。
この匂い……
『と、トド松くん…？』
なんとか顔を上げてみればそこには心配そうに眉を八の字にしているトド松くんの顔があった。
トド「もう！急に倒れるからビックリしたよ…どこも怪我してない？保健室まで送るよ。」
『怪我は平気…。
それに、1人で保健室に行けるから大丈夫だよ』
これ以上トド松くんに迷惑掛けられないし、保健室だってこの教室からそんなに遠くない。
トド松くんに支えてもらいながら立ち上がり、一歩足を踏み出すとグイッと腕を掴まれる。
トド「途中で何かあったら大変だからやっぱ着いてくよ」
ね？、と首を傾げながら笑う彼に、何故か全身にゾッと寒気が走った。
しかしそれは刹那の出来事で、もう一度彼を見ればいつものにこやかな柔らかい笑み。
今のは、気のせい？
そう思えるほど、本当に一瞬で。
でも私の目は確かに捉えたのだ
あの氷のように冷たい笑みを。
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サクラ - 更新楽しみに待ってますので戻ってきてください！おねがいします！ (2018年2月15日 18時) (
レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
玲紋 - 気になります！続きが！応援してますね! (2016年3月21日 1時) (レス) id: eee74b7045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももももっち。 | 作成日時：2016年1月10日 23時
