【第11話】保健室 ページ12
はぁ、はぁっ…
苦しい
息ができない
誰か、誰か助けて…
(これは…夢?
目の前で苦しんでいるのは私、だよね)
(辺りを見回しても木、木、木。ここは森?)
「_____________。」
(この人は誰だろう。見たことない人だ)
(一体夢の中の私と何を話しているんだろう)
(あれ?なんだか少しだけ懐かしい匂いが……いやこの匂いは、)
**
『ん…、トド松、くん』
夢から覚めた私の鼻孔をくすぐったのは教室でも嗅いだトド松くんの香りだ。
まだはっきりと覚醒していない体をなんとか起こしてみると、首筋からズキッと痛みが走る。
あぁ、そういえば私、血を吸われたんだっけ
どこか他人事のように感じてしまうのは何故なのだろう。
あの時は突然の事に対して頭が混乱していたから小さな痛みにも敏感に感じていたのかもしれない。
あぁ、きっとそうだ。と自分の中で結論づけるとすぐ側から誰かの寝息が聞こえてきた。
ふと横を見てみれば床に座り込んでベッドの上に腕を置き、その腕を枕にして寝ているトド松くんが視界に入る。
私をベッドに寝かせてそのままおやすみタイムに突入してしまったのだろうか。
寝顔はこんなにも可愛いのに吸血鬼、かぁ…
案外、この世界に人間以外の者も沢山いるのね。
私はここ数日で一体どれだけ人間以外の者と出会ったことだろう。
死神に女神に天使に吸血鬼…
あれ、そういえばあの4人って顔似てない?
ふと、思い浮かんだのは例の4人の顔。
んん?というか神父様も…皆同じ顔、してる。
これは偶然?
でも5人とも全く同じ顔っていうのは奇跡に等しいくらいの確率ではないのだろうか。
俯きながら考えていれば様々な憶測が頭の中に生まれる。
実は血が繋がっているという可能性も…
いや、そもそも死神たちに家族というものがあるのか。
どのようにして彼らは産まれてくるのか。
あぁ、ダメだ。
考えれば考えるほどさらに疑問が浮かんでしまう。
おそ「Aちゃーん。
暇だったから遊びにきちゃったー。」
『え』
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サクラ - 更新楽しみに待ってますので戻ってきてください!おねがいします! (2018年2月15日 18時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
玲紋 - 気になります!続きが!応援してますね! (2016年3月21日 1時) (レス) id: eee74b7045 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ももももっち。 | 作成日時:2016年1月10日 23時