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1____仕事 ページ2

A_____




ヴゥー、ヴゥーと聞こえる警戒音。それはやむことなく続いている。
赤く染まった自分の手と床。鼻先を摘まみたくような独特な臭い。

はぁ…と溜め息をつき、足を早める。


『…やっぱり…』


向かった先は倉庫のようなところ。さっきと比べ物にならないくらいの臭いでつい鼻をつまんでしまう。そこには人、いや"人だったもの"が無数にも転がっていた。

何かに切りつけられて。

傷跡はすべて縦や横、線状になっているように見える。
まるで刀か何かで切られたような。

今回は最近臓器売買をしている○○組の処分。主な私の仕事はこういう裏社会で悪事を働いている輩を処分する事。命にか変わることだがそんなのどうでもいい。この世界に生まれたからには覚悟できている。だが…


『…私の仕事を奪わないでもらいたい』


足元に転がっている○○組のボスだったものを怒りのあまり蹴り飛ばす。
ぐちゃっと嫌な音と共に吹き飛んでいったが気にしない。
奪った相手なら予想できている。いや、確定だろう。


『…チッ…松野組…‼』


裏社会でその名を出せば震え出すやつもいるらしい。それほど強いのか。
私自身も名前は知ってたがその他はしらない、噂によれば六人しかいない小さな組織らしいが…

なぜだ?
なぜいつも私についてくるんだ?

私がやる仕事ほとんどを横取りされる。まぁ、報酬も約束通りもらっているから横取りとは言わないだろうけど頭に来る。私がいつも倒しているのは松野組のおこぼれのようなもの。
第一、なんも得にならないことをする?しかも私にだけ。
なにか私が気に触ることでもしたのか?会ったこともない相手にどうしてそんなに構うのだ。

不思議でたまらない。

松野組とわかったのは初めて仕事を横取りされたときだ。




_____



私が仕事でボスの部屋に係員として侵入したときだった。
もう既にターゲットは息絶えており、ふとデスクの上にある白いものが目に入った。


『(手紙…?)』


白い封筒のようなもの。手に取ると封筒のうしろには紅い松?のマークが描かれていた。
封筒の容姿などはどうでもいい。1つ気掛かりなのはその封筒のうらに書かれていたことた。


『私の名前…』


Aときっちり書かれている。何度見直しても変わることはない。
私宛に置かれた手紙、私が来ることを知っているやつが書いた手紙。
ビリっと音をたてて開ける。そのなかには一枚の紙がはいっていた。

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作者名:エスパー | 作成日時:2017年8月25日 15時

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