・ ページ6
｢ん…………｣
徐々に視界が明確になっていく。
ぼやけていた視界と記憶が鮮明になっていくと同時に、心の中に焦りがひょっこりと出てきた。
拙僧、どれだけ寝てたんだ…？
楽屋の硬いソファで寝ていたつもりが、いつの間にか自宅のベッドに寝ている。
周りを見渡すと、見慣れた自室。
あれ、バトルは…？メンバーは…？
と沢山のハテナが頭の中に浮かび上がってきて収集がつかなくなってしまった。
自分の体調のことも忘れてとりあえず立つか、と思って立ち上がったら
｢………？｣
視界がぐにゃりと歪み、その場に座り込んでしまった。
するとガチャリとドアが開き、エプロンをきたヤツが入ってきた。ほら、あの銭ゲバ弁護士だ。
｢お、クソガキ起きたか………って馬鹿野郎｣
ベッドの傍にしゃがみこんでいる拙僧を見て、心配そうな表情と呆れた表情が混ざったような顔をして拙僧をベッドに寝かせた。
なんだか照れくさかったが、拙僧には抵抗する気力も尽きていた。
｢なんでテメーがいんだよ！！それよかバトルはどうなったんだバトルは！！｣
体が動かないので口だけで噛み付くが、
｢顔真っ赤にしてソファで寝てるやつがいたから棄権したよ。十四は今コンビニにいて俺はその間にガキの面倒見だ。俺の作った卵がゆが食いたくねぇのかよ？｣
とスっとかわされてしまった。
しかし、バトルを棄権にしてまで看病してくれてたのか…と思うと少し嬉しかった。
｢……………誰が食うか！！｣
と照れ隠しのように言ったが、照れ隠しであることを見透かされたのか、
｢ここに置いとくから好きなだけ食えよ。俺は病人には手を出さねぇが治ったら覚悟しとけよ。｣
と彼は意味深なことを言って部屋を後にした。
｢クソっっっあんのジジイ〜〜〜〜………ｯｯ｣
と顔を真っ赤にしながら食べたお粥は少し甘い味がして美味しかった。
end
終わり←・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫田まぐろ - 好っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!! (2022年1月21日 0時) (
レス) @page5 id: 60f0d95172 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧 | 作成日時：2021年7月12日 20時
