山田一郎【体調不良】 ページ2
ピピピピッ ピピピピッ
痛む頭には響くほど軽快な音が鳴る。
「熱はなし………か。」
今日は朝から喉に違和感があり、ついでに頭も痛い為熱があるのを疑ったが、なかったようだ。
「これじゃあ仕事は休めねぇな……」
今からヨコハマディビジョンへ依頼があり、弟二人の為決定的となる理由がなければ依頼は断らないようにしている。
「はぁ…………」
少し溜息をつき、自室を出た。
まぁ動けないって程でもないし、すぐ終われせて家に帰ればいいと思っていた。
リビングに出ると弟2人が寛いでいた。
「あ、いち兄!もう家を出るんですか?」
「おう、夜までに帰るからな。」
「はーい」
三郎との会話を終えてから、家を出ようとしたら、
「いってらっしゃい」
と、二郎が見送りをしてくれた。
すると、二郎は少し俺の顔を見て眉を顰めた。
「?二郎、どうしたんだ?」
尋ねると、二郎はハッとして
「ううん、何でもない!!」
と言ったので家を出たら、後ろから鍵をガチャンと閉めた音がしたので、歩く速さを速めた。
_____________ _
「………っ、はぁ………」
ヨコハマについて、何とか依頼の仕事を終えたが、家を出る前より俺の体調は倍…いや、それ以上に悪化していた。
歩くことすらきつい状況で、今はベンチで少し休憩している。
頭痛に加えて吐き気までしてきた…最悪だ…
と、思いながら俯いてベンチに座っていたらいつの間にか眠りに落ちていた。
「……に、の………田 郎……か?」
「あ………、かに…」
という途切れ途切れの会話が聞こえ、俺の意識はだんだん覚醒していった。
それは最悪な人物の声で目覚めた。
「………左馬刻、!?」
「よォ、クソ偽善者の山田一郎クン?」
目の前には左馬刻が俺を見下ろして立っていた。
しかも横には毒島メイソン理鶯と、入間銃兎までいた。
「うちのディビジョンに何か用??」
「、、依頼を、受けただけだ。」
このままじゃ喧嘩になっちまうぞ…と思って、左馬刻の顔を見上げると、それにピクリと左馬刻が反応した。
だが、その反応が怒った様子ではなく、何か険しい顔をしていた。
すると左馬刻が、
「今日こそはぶちのめしてやろうと思ったが……お前の様子を見りゃ無理だな」
訳が分からず、左馬刻を見た。
「はは、なんつー顔色して言ってんだよ。どうせ帰れねーだろ?車乗ってけよ。」
「、、、は?」
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猫田まぐろ - 好っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!! (2022年1月21日 0時) (レス) @page5 id: 60f0d95172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2021年7月12日 20時