第三章一話 ページ8
手が汚れているので、拭いた。
汚れていると、衛生的に良くないと、妻に怒られてしまう。
血なんて、もっての他だろう。
引き出しを覗き、手紙を出す。
宛先は妻。送り元も妻。
薄々は勘づいていたが、やっぱりそうか。
妻は妻じゃない。
……だから、生きている。
一番最初に、安心した。
妻が生きていることが何よりも嬉しい。
死んだら関係ないが、生きているなら別だ。
……歪んでいる?
それはそれは。
あなたは随分と偉いお方なのですね。
愚民には、その心がよめませぬ。
「信じてくれて、ありがとう。あなたと友人になったことが、私の誇りだわ。
……ああ、さっきのは友人が入れ替わったものなのか」
……
信じてくれて、ありがとう。
あなたと友人になったことが、私の誇りだわ。
旦那とは、上手くいってないの。
実はね、あの人は精神に異常があって、私ではどうすることもできないの。
ね、だから、あなたは看護師でしょう?
あの人を上手く誘導して、病院へ連れて行って貰えないかしら。
……お金は出すわ。
私はしばらく遠くへ行ってます。
頼むね、お願い。
……
よく言う。
友人を殺せと俺に言ったのは、この手紙を書いた張本人なのに。
手紙を持ったまま、さっきの部屋へ戻った。
さて、これはどうしようか。
袋と包丁を使おうと、後ろを向いたとき。
頭に鈍い痛みが走った。
手を置くと、さっきばかりに見た血。
ひとつ違うのは、自分のモノという点。
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めた(プロフ) - 00さん» 毎回評価本っ当にありがとうございます!嬉しいです!解説書こうとしたんですが、このメモで大丈夫じゃんっ笑ってなってそのまま使いました笑 (2022年10月24日 18時) (レス) id: 7bd9218a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めた | 作成日時:2022年9月4日 15時