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鳩も察する ページ1

会社の帰りにお菓子を買う。

今日はバタークッキーにしよっかな。
んんー、マドレーヌも美味しそう…





「アソートパック一つですね、お買い上げありがとうございます!」




昼はおにぎりを片手にパソコンに向かっていた。



もう夕方だから夜が食べれなくなっちゃう。
そう思ってもつい手が伸びてしまった。




「うまぁ…」



小袋を開けて中のマドレーヌを食べる。
ほんのり明るい街灯の下を、人がまばらに歩いている。

信号に捕まって止まっていると、何やら小動物が側を通った。

カラスか鳩か、それぐらいだろう。


奥の方で、悲鳴のような鳴き声が聞こえた。

特に気にもせず、少し青く反射した白線の上を通る。


そのとき、向かいのビルの間で、なにやら光った。

ぴかっと光るんじゃなくて、宝石が反射したみたいにきらっと光った。


「?」


そのときの私は変に上機嫌だった。
なにかなにかと覗きに行った。


「よく見えないな」


少し奥に入った。


見えない。


さらに奥に行った。









「ウマソウダ」




声。




「タベタイ」


「え、あげないよ?私のだから」


「ケチ。オレ、ハラヘッタ」


「あなた失礼ね。でも食べてないの?しょうがないからこれあげる」


うぅ、全種類食べたかった…

けどしょうがない。私の娯楽より、目の前(見えてないけど)
のこの人の方が食べないと。



「ミズナイノカ」

「要求が多い。あげたんだから我慢して」

「チッ」



「じゃ、私はもう行くわ」

「マタクレ」

「嫌よ」

「チッ」



奥の方が明るいのでどこかに繋がっているようだ。




道に出た。

暗闇に慣れた目には明かりがあまりに眩しかった。






「えっ、こんな近かったっけ」


いつもよりも早く、マンションに着いた。











これが初めてこのみちに行ったときの話。

鴨が泳ぐ→



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めた(プロフ) - コメントありがとうございます!怪物との関係の変化を意識して書いたので嬉しいです! (2022年8月12日 13時) (レス) id: 7bd9218a8b (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。完結おめでとうございます。お話面白かったです!オチがせつなかったのですが主人公と謎な生物の親友みたいな関係が好きだなと思いました。素敵なお話ありがとうございました! (2022年8月10日 17時) (レス) id: 36aa4bf6d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めた | 作成日時:2022年8月4日 23時

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