104ページ ページ5
NOside
午前十時二十五分。
予定を五分早めてUH60JAが『情報歴史資料館』に到着した。
「撃て!撃ちまくれ!」
進藤が珍しく激昂した様子で狙撃班に指示した。
地上でも射撃命令が下り、このときばかりは施設外の器物破損を厭わぬ勢いで図書隊が良化部隊を猛射する。
「くそッ」
手塚は良化部隊が占拠した塹壕の盛り土を狙って引き金を引いた。
ヘリのダウンウォッシュにさらされ、どれほど狙いをつけても弾が正確に飛ぶ保証はない。
無機物を狙う他なかった。
頼むから顔を出すな。
半ば祈るように“撃ちまくる”。
これだけ威嚇にさらされて撃たれるならそれは撃たれた方の責任だ。
「(もし死んだって俺が知るか)」
搬送するコンテナは前日から屋上に二便分とも用意されており、吊り下げの金具を装着するだけの状態にしてある。
加えて負傷者をキャビンに収容し、UH60JAはタッチアンドゴーに近い状態で離陸した。
離陸までの間、激しい威嚇射撃が功を奏してか良化部隊からUH60JAへの狙撃はほとんどなかった。
しかしかその後の反撃はヘリの離陸を許した腹いせのように激化した。
350人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オムライス(プロフ) - 田中圭くんにハマって一気に読みました!続き楽しみにしてます! (2020年9月26日 8時) (レス) id: 3df1040212 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミブー - 楽しく拝見させて頂いています!大変かとは思いますが、続きを期待しています!応援しています! (2020年6月4日 4時) (レス) id: b581b337c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きぃ太 | 作成日時:2019年9月22日 9時