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「話まだ済んでねーぞ デク」
「カツキ何ソレ？」
そんな声が聞こえて目を覚ます。
あー、授業つまんなすぎて寝てたのか。
「あーーーー!!!!?ひどい...！！｣
ぼんやりした目でその声の方向を見ると、爆豪くんとそのお付きの者と出久くんの場面だった。
...あ、ノート落とされちゃったか...拾い行こう。
私は爆豪くん達を睨んでから教室を出た。
＊
『あったあった』
原作通り鯉が群がっていた。
『おいお前ら、鳥に食われたくなけりゃそこどけ』
そう言うと鯉達は慌ててノートから離れた。
『よし...』
でもびしょ濡れだ。
私はふと背中を見る。
リュックを下ろして、制服の下に仕舞っていた翼を出すためにセーラー服を脱いだ。
...誰もいないし大丈夫だろう。
翼の近くにノートをかざしてバサバサと動かす。
翼の風で少しは乾くといいんだけど。
「えっ、アッ、羽平さんっ！？」
その声に振り向くと、出久くんが手で顔を隠してこちらにやってきた。
...あ、そうか私今下着姿だわ。
『...これ、緑谷くんのだよね、ノート』
「う、うんそうです！服着て！｣
『まだ乾いてないよ』
「だ、大丈夫だから！」
焦ってるの面白いなと思いながら制服を着る。
「羽平さん...の、個性？」
『うん、そう。鳥っぽいことできるの』
何か言いたそうにしていた出久くんだけど、原作通りに行ってもらいたいのでノートを返して早く帰らせた。
『...大丈夫、君は立派なヒーローになれるよ』
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