【銀魂】転生したら吉原に売られました。【神威】

19話 ページ20

敗北。


私は神威に負けた。


『…はぁはぁ』


ところどころが痛い。


私は倒れていた。


「…経験ない割に、よくやった方だと思うぜ」


阿伏兎さんが、私の方へやってきた。


『…負けたのに褒められても困ります』


「…嬢ちゃん、そんなに気に病むことはないぜ」


別に気になど病んでいない。


『…神威は？』


「船に戻ったぜ。怪我したところ治療してやるから、あとで団長のとこ行ってやれよ」


…神威は私のことを見くびっただろうか。


私は強くもなんともない、ということ、分かってくれただろうか。


阿伏兎さんに治療してもらったあと、私は神威のもとに向かった。


「あ、大丈夫？」


『…平気』


「ちょっと力入れ過ぎたね。でもちゃんと強くて驚いたかな。またやろうね」


『嫌に決まってんだろ』


憎まれ口を叩くが、神威は未だ笑ったまま。


『…何が面白いの？』


「キミって本当に面白いよね。」


どこが。


『…神威、父はどんな人だったの？』


「…翡翠？あの人は、第七師団の元副団長。夜王鳳仙には劣るけど強かったよ。戦争にでて死んじゃったけどね」


「あ、悲しい？」


『全く』


感情が無いってわけじゃないんだよ？


関係を持ったことのない人に、感情を持つほど、私は感性が豊かではない。

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