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教室に戻ると、何故だか空気は険悪で、それでいてハルキの怒号が飛んでいた。


「何度言ったらわかる!隊長命令が聞けないのか!!」


ヒカルがそれに、諦めたように自分の席に座った。


「……?何を揉めてるの。」


第一小隊に近寄りつつ、そう声をかける。
それなりに注目を浴びたが、まぁ気にしないでおこう。


「…バイオレットデビルを引き付ける囮役を誰がやるかって話よ。ヒカルとアラタがやりたいって言ってて……。」


答えてくれたのはユノだった。しかし、何処か言いづらそうに語尾を小さくしていってしまう。


「…でもハルキがそれに反対してるんだね。」


仕方ないだろう。強敵も強敵だし、ロストさせられる可能性が高いんだから。

…サクヤは一人、傍で状況を見ているようだが。


……興味があるのは私も同じだ。ここは私もハルキを一押ししてみよう。


「…囮役、私達がしてもいいんじゃない?」

「…!…お前もそう言うのか。」

「なんだかすごく反対してるみたいだけど…別にバイオレットデビルを倒しに行く訳じゃないんだから、出来るでしょう。」

「逃げるのにも技量は必要だ。少なくとも、相手を上回る動きをしないと逃げれない。」

「ごもっとも。でもそこは、アラタとヒカルのことを少しくらい信じてあげてもいいんじゃない?バイオレットデビルが桁違いの強さなのは聞いててわかる…でも結局は誰かが囮役受けなきゃならないんだから。」


言っておいて何だが、余り私はアラタとヒカルの技量を信用していない。

だってあの二人、自分の好きなように動くから強敵を前にしたら我先にと突っ走って技量云々の話じゃなくなるのは目に見えてる。

しかし、ハルキは渋々と言った様子だが、了承してくれた。


「………わかった。俺たちが囮役を引き受けてもいい。」


アラタがそれにとても嬉しそうにする。
最強のLBXと戦えるんだし、確かに嬉しいだろう。

…ロストの可能性はあるが、まぁそこは私が出来る限りカバーすればいい。


「ただし、条件がある。俺の命令に絶対従うことだ。いいな!」

「ああ!」


そんな様子を見て、リクヤが呟いた。


「そんなにロストしたいんですかね。」

「ロストを恐れて動けないよりかはマシでしょう。…それに、ロストなんて私が絶対にさせない。」


まだ何か言いたそうだったが、それきりリクヤは何も言わなかった。

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FenGkaz710(プロフ) - 更新待ってます! (2020年6月9日 18時) (レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
鏡音羅美(プロフ) - 更新頑張ってください! 応援してます! (2019年1月23日 23時) (レス) id: d15564b850 (このIDを非表示/違反報告)
ベル - フェアリーの会話が独特で良い、サイコスキャディグモード?がいいし主人公の苦しい過去も読みたいです (2018年8月16日 19時) (レス) id: 1190295a12 (このIDを非表示/違反報告)
自宅警備員 - 続きが気になります。更新頑張ってください。 (2017年9月15日 21時) (レス) id: 124b1853e4 (このIDを非表示/違反報告)
藍色水晶 - 元藍玉です。作者名変えました。藍玉さんいつの間にか増えてたので藍色水晶で今度から行こうと思います。 (2017年6月1日 20時) (レス) id: 37f8d8a89e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍色水晶 | 作者ホームページ: なし  
作成日時:2014年9月7日 21時

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