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「…やっぱり優しいんだね、彼。」


私はぽつりと呟いた。ユノがすかさず食い付く。


「誰のこと?」

「ハルキ隊長。」

「…みんな厳しそうって言うのにリュナは珍しいわね。」

「そうかな?少し話しただけでそう思ったけどな。…でも確かに厳しそうにも見えるかもね。」

「じゃあリュナはともかく…アラタもヒカルも、ハルキのこと悪く思わないでね。前にちょっとあって…。」

「何が?」


やっぱりそうだったのか。…デリカシー無いかもしれないがそのうち聞こう。


「そのうち分かるわ。」

「確かユノも同じクラスだったよな?」

「えぇ、そうよ!」

「当たり前でしょ?じゃないと一緒の指令室にいるわけ無い。」

「ご、ごめん。それもそうだな」

「?謝らなくていいのに…。」


知らず知らずの内に威圧感出してるらしい。困った。ユノが話を露骨に変える。


「あはは…そ、それで私の小隊は女子だけの小隊なの!」

「女子だけ…。」

「それより、どう?この島は?」

「本土とは違った暖かさがあって好き。」

「俺も!この町嫌いじゃない。結構好きな感じだ。」

「…古臭いだけだ。」


ヒカルだけがマイナスな感想ななか、アラタが他の下校中の生徒に目を配る。


「?そういえば、なんで制服の色が違う奴らがいるんだ?」

「制服の色が所属している仮想国を表してるからよ。」

「そうそう!それで、一番多いグレーがロシウス連合、カーキがアラビスタ同盟軍で、紫がハーネス。」


その時、キャサリンが横を走り抜けた。


「ユノ、リュナ!おっ先〜!」

「……。」

「うん!そして、私達は紺色でジェノックよ!」

「へぇ〜、分かりやすいんだな。」


歩いていると、ユノが近くのお婆ちゃんに話しかけられた。


「あら、お帰り。ユノちゃん。」

「ただいま、お婆ちゃん!」

「その子達は、新人さんかい?」

「うん!そうよ!」


一連の会話を聞いて、私は言った。


「…仲良いのね。」

「昔は会ったらこうやって、声をかけ合うのが普通だったの。」

「古臭いのは、見た目だけじゃないってことか…。」

「とにかく、1960年代以降につくられたものはこの島には存在しないわ。」


徹底ぶりがすごいな。町並みだけじゃなく、人もまるでその年代を生きていたかのよう。

再現もここまでくると少し恐ろしく思うな。

2-2→←第2話 恐怖のウォータイム



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FenGkaz710(プロフ) - 更新待ってます! (2020年6月9日 18時) (レス) id: 760679ded1 (このIDを非表示/違反報告)
鏡音羅美(プロフ) - 更新頑張ってください! 応援してます! (2019年1月23日 23時) (レス) id: d15564b850 (このIDを非表示/違反報告)
ベル - フェアリーの会話が独特で良い、サイコスキャディグモード?がいいし主人公の苦しい過去も読みたいです (2018年8月16日 19時) (レス) id: 1190295a12 (このIDを非表示/違反報告)
自宅警備員 - 続きが気になります。更新頑張ってください。 (2017年9月15日 21時) (レス) id: 124b1853e4 (このIDを非表示/違反報告)
藍色水晶 - 元藍玉です。作者名変えました。藍玉さんいつの間にか増えてたので藍色水晶で今度から行こうと思います。 (2017年6月1日 20時) (レス) id: 37f8d8a89e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍色水晶 | 作者ホームページ: なし  
作成日時:2014年9月7日 21時

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