北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ28)

今日:5 hit、昨日:31 hit、合計:39,180 hit

77話ページ28

馬を乗り捨てて船に乗り込む

『馬借りちゃったんだけど…返さなくてよかったかな…』

白石「気にすんなよ、もうここには来ねえ」

『…！杉元、撃たれたのか！？』

白石「あとで弾取り出さねえとな…しかしこんな
ひどい傷なのに…お前どうやったら死ぬんだよ」

杉元「大丈夫だ、こんな傷じゃ俺の魂は抜けていかない…まだまだその時じゃない…」

頭巾「フンフン」

白石「どうした頭巾ちゃん」

白石が頭巾ちゃんの双眼鏡を覗いた

僕も同じく覗いてみる

白石「やばい、ふたりこっちに来る！」

『血痕を追ってきたんだな、アンタ撃てるか』

弾はさっきのが込めてあるままだ

遊底を弾く

『……言葉がわからないか？』

白石「こいつロシア人だからわかんないぞ！バーン！やれ！！お前なら当てられるだろ！バーン！見つかったらアシㇼパちゃん以外みんな殺されるぞ！！」

『今なら二人だ、頭巾ちゃんが撃てないなら僕が二人撃つ、少し時間差だが当てられない距離じゃない』

頭巾ちゃんが構える

アシ「足だぞ！足を狙え！！」

ドンッ

頭巾ちゃんが撃ったのを見て僕も撃つ

ドンッ

狙うは頭だ

叫ばれて増援を呼ばれては困る

双眼鏡で確認すると二人とも頭を撃ち抜いていた

アシ「アシに当てたか？」

白石「よくやった」

僕と頭巾ちゃんの肩を叩く白石

その後船が出航した

白石「やった！樺太脱出だ！奴らから逃げ切ったぞ！」

『とりあえず一休みだな」

白石「稚内港まであと3時間くらいだってよ…しかしまったく、よりによってあんなところで逃げようと決めるなんて」

杉元「鶴見中尉たちに引き渡されてしまえば、厳重に監視されて逃げる隙も無くなっていたはずだ」

白石「まあ確かにアシㇼパちゃんを囚人狩りに連れ回す必要なんて奴らには全くねえよな。杉元と離してどこかに監禁するつもりだったみたいだし」

『杉元が考え直してよかった』

杉元「いや…俺はアシㇼパさんを信じることにした。アシㇼパさんなら自分の信じるやり方でアイヌを守る道を探してくれると」

白石「それはいいけどどうやって俺らだけで金塊を見つけんのよ」

その瞬間船のすぐ横の水面が大きく爆発した

杉元「うわぁ！！追っかけてきた！！」

『杉元！すぐに船長に話に行こう！』

杉元「俺とアシㇼパさんが行ってくる、頭巾ちゃんとAで見ててくれ」

白石「俺は？」

弾を込め直して準備をする

白石「ねえ、俺は？」