北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ26)

今日:2 hit、昨日:34 hit、合計:39,327 hit

75話ページ26

僕たちはエノノカの村に戻ってきた

月島「通りがかりの馬橇が大泊までいくらしいので、乗せてもらえるように頼んだ。ヘンケとエノノカとはここで別れる」

エノ「スン…スン…スンスン…」

エノノカは泣きながら金を弾いている

杉元「ホントにしっかりした子だなぁ」

チカ「エノノカ…」

エノノカはチカパシを無視して戻って行ってしまった

『別れが悲しいんだな』

杉元「待っててやるからちゃんと話しておけよ」

チカパシはエノノカのもとへ行った

鯉登「行くぞ！みんな乗れ！」

全員が馬橇に乗り込む

杉元「あばよ爺ちゃん！みんな達者でな！」

手を振るとヘンケが振り替えしてくれた

エノ「チカパシ！！」

チカ「エノノカ！待ってて！俺絶対に…」

手が滑ったのか転がり落ちたチカパシ

『止めて！』

谷垣「ひとり落ちた！大丈夫か！チカパシ！」

白石「早く来い！……どうしたんだアイツ」

立ち上がってもこちらに近づいてくる気配はない

谷垣「少し待っててくれ」

谷垣が馬橇から降りてチカパシに近づいた

チカ「谷垣ニㇱパ…」

谷垣「チカパシ…お前はここに残って、自分の本当の家族をつくりなさい」

『谷垣が泣いてる〜』

杉元「可愛い〜」

勃起だのなんだのとまた言ってる

チカ「アシㇼパをちゃんと連れて帰ってね！フチを元気にさせて！」

谷垣「ああ、わかった」

谷垣が馬橇に乗った

白石「あばよチカパシ！元気で暮らせ！」

チカパシは家族を自分の家族を見つけようとしている

『いいな…』

杉元「A？」

『……なんでもない』

***
大泊についた

月島さんたちと離れて、先に宿に入った

杉元とアシㇼパさんが話してる

僕は廊下で弾薬の確認

銃をバラして整備している

途中、白石が外へ出ていった

杉元「A、ちょっといい？」

『なんだ』

廊下に出てきた杉元

杉元「明日鶴見中尉の船にアシㇼパさんと乗って北海道へ戻る、Aも一緒に乗れるように聞いてみるけど…その後はどうする？」

『そのあとって…？』

杉元「俺は友達の治療費をもらう約束をしてる、だからアシㇼパさんの安全を確保できたら…A？」

僕は銃の整備を終えて立ち上がる

『不死身の杉元…』

杉元「？」

『……残念だ』

杉元「何…」

『僕はその船には乗らない、明日その取引の現場にも行かない』

杉元「………」

僕は宿から出た