Cor Leonis et Mare (ページ10)

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7＿水の光ページ10

【Aside】

「……っはぁ……。まさか我が君に向かってあんなことを言うとは思わなかったぞ、A」

ラピスラズリ家の屋敷に戻ると、お兄様が開口一番、先程の会話について話し始める。

「あんなこと、と申しますと……。『優秀なマグル生まれは利用すべき』と言う話ですか？」

何かおかしなことを言ったかしら。
筋は通っているし、こちらの利益にもなると思うのだけど。

「それだ。確かに良い案だとは思うが、初対面で我が君にあんなにはっきりと意見を言う者などそういない。」

お父様まで…。
私は思っていることを素直に話しただけ。

「……そういえば、お父様。我が君にお会いした時、ブラック夫妻はいらっしゃったけど、シリウスはいませんでしたよね」

私が言うと、お父様達は顔を見合わせる。

「それは……。A、我が君に入学前に挨拶をするのは義務、というわけではない。しかし、もししなければ、我が君に楯突く気ではないか、と思われてしまう。だから普通は挨拶をするのだ。エルフィーもそうだった。……ブラック家の嫡男は反抗的だというのは純血の者の中でも有名だからな。挨拶もしないつもりかもしれない」

シリウス……。
どうして反抗するのかしら。
我が君に仕えることこそ、私達純血の者にとっての名誉なのに。

「……明日は、ホグワーツへと向かう日よ。休みなさい」

「…はい、お母様。お父様、お兄様、おやすみなさい」

部屋に入っても、私はずっとそのことを考えていた。
レギュは、シリウスがグリフィンドールに入るかもしれないって言っていたけれど。
本当に、そうなってしまうかもしれない……。