Cor Leonis et Mare (ページ44)

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41＿舞咲優陽ページ44

｢久しぶりね、セブルス。｣
｢ああ、A。プレゼントは自室に置いてあるそうだ。｣
｢あら、ありがとう。そうだ、これ、プレゼントよ。遅くなったけれど、メリークリスマス。｣
｢メリークリスマス。僕のはお前のプレゼントの中にある。その...お金がなくて、あまり高いのではないのだが...｣
｢いいえ、十分よ。ありがとう。｣

セブルスにあげたのは、ラピスラズリ邸の庭に生えていた珍しい薬草。

｢...あら、なかなかいい趣味ね。｣

セブルスからは、可愛い栞だった。
どうやら、手作りのよう。

お父様とお母様からの包みを探し、開封する。

中に入っていたのは、ドラゴンの革製の杖ホルダー。
以前ダイアゴン横町で少し目を奪われた、上質なもの。

｢覚えていてくださったのね。｣

お兄様からは、上等な羽ペン。

[R.A.B.]

と、イニシャルのついた包み。

｢レギュからだわ！｣

中に入っていたのは、美しい髪留め...バレッタだった。
銀の土台に、ブラックダイヤモンドとラピスラズリが散りばめられている。

｢素敵...｣

手紙が添えてあった。

[Dear.A
親愛なるあなたに、このバレッタをお送りします。
これは、ブラック家が懇意にしているアクセサリー店で依頼した一点物のバレッタです。
これと揃いで、僕もネクタイピンを持っています。
愛をこめて、レギュラス]

そのバレッタで自慢の金髪をハーフアップにしながら、私は頬を染めた。

☆★☆

飛ぶように季節は過ぎ、夏になった。
そう、大抵の学生の大敵、学年末テストがやって来る。

｢あれ、見てシリウス。劣等生だ。やあお嬢ちゃん！勉強しなくていいのかい？君、魔法薬学壊滅的だもんねぇ。なきみそスニベルスにでも教えてもらったらどうだい？｣
｢お前こそ、意味のない悪戯をする暇があるのなら、勉強すればどうだ？｣
｢いやぁ、僕にはその必要はないのさ。なぜって僕は｢セブルス、行きましょ。何だかコバエがうるさい気がするし。｣
｢確かに最近暑いからな。｣

あんな話の通じない駄眼鏡と話すなんて、時間の無駄よ。
無視に越したことはないわ。

テストを楽しみにしていらっしゃい。
もう2度と、劣等生だなんて呼ばせないわ。

｢でもA、お前本当に不味いぞ。魔法薬学、どうするつもりだ。｣
｢...あなただけに教えてあげるけど、特別措置が為されるの。｣
｢特別措置...？｣
｢ふふ、テストになったら分かるわよ。｣