Cor Leonis et Mare (ページ5)

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2＿舞咲優陽ページ5

月日は流れ、A・ラピスラズリは11歳となった。

｢お父様、お母様！ホグワーツから手紙が来ました！｣
｢おめでとう、A。｣

父と母の母校であり、兄・エルフィーが在学中のホグワーツから入学案内の手紙が来た。

｢明日に予定はないし、みんなでダイアゴン横丁に行くか。｣

父の提案に、Aは頬を緩めた。

翌日、フルーパウダーでダイアゴン横丁に着いた一行は、まずグリンゴッツへ行くこととなった。

｢あ、A！｣

白亜の建物の前にいる一行の中の黒髪の少年が、こちらに手を振っている。

｢レギュ！｣

普通なら、その年頃の少年なら駆け寄って来るのだろうが、残念ながら彼は普通ではなく、｢生粋の貴族｣であった。

レギュラスはAにゆっくりと近づき、少し膝を折って手の甲にキスをした。

｢ご機嫌麗しゅう、レディ？｣
｢ふふ、レギュったら...｣

Aは少し頬を染めた。
レギュラスはAの手を取り、彼の家族のところに誘導する。

｢あれ、なんか俺らハブられてないか？｣
｢まぁいいじゃないかエルフィー。Aもレギュラスも、お互いお熱なんだ。｣
｢そうよ。エルフィーも許嫁に会った時はこんなものでしょう？｣

｢レギュ、どうしてダイアゴン横丁に？｣
｢兄上が入学なので。本当なら僕は家で留守番をするはずだったのですが、Aに会えるかな、と思って。父上と母上に頼みました。｣
｢嬉しいわ。...シリウスはどうなの？｣
｢...いつも母上と喧嘩しています。もしかしたら...グリフィンドールに行くかもしれないです。｣

レギュラスの目線は少し下向きになり、Aの眉間にはシワが寄った。

｢...それは...良くないわね。｣
｢...はい。｣

しんみりした雰囲気になる中、Aはブラック家の人達のところに着いた。

｢ご機嫌よう、オリオン様、ヴァルブルガ様、シリウス。｣
｢A。お父様と呼んでくれていいと言っているじゃないか。｣
｢そうですわ。レギュラスの許嫁なら、娘も同然。わたくし達のことが好きではないのかと不安になります。｣
｢ああ、申し訳ありません、お父様、お母様。なにしろ呼び慣れていないもので...気をつけますわ。｣

両家の挨拶は終わり、一行はグリンゴッツに入っていった。

｢...ちっ...｣

ブラック長男の舌打ちは、誰にも聞かれることはなかった。