Cor Leonis et Mare (ページ29)

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26＿舞咲優陽ページ29

｢ラピスラズリのお嬢ちゃん、君、ピーターに何かしたよねー？｣

その声に、全員の目がこちらを向いた。

ポッターは、私をいつもこう呼ぶ。
確かにラピスラズリの娘だけれど、駄眼鏡のは嫌みを込めた言い方で。

｢...何のことです？｣
｢いやぁ、ピーターの箒を暴れさせたのは、腐れスリザリンの君の仕業じゃないかと思ってね。...あぁ、君は劣等生だから、そんな見事な呪文をできるはずがないか！あは、僕の勘違いだったようだよ、ごめんごめん。｣

ポッターは何を勘違いしているのかしら。
私は劣等生なんかじゃないわ。

むしろ、見ず知らずのグリフィンドールを助けたことにお礼を言われたいくらいよ。

自分は何もしなかったのに。

｢ポッター！Aに何言ってるの！｣
｢やぁリリー。可哀想に、君はこの劣等生に騙されてるんだ。早く僕の元においで。｣
｢Aは何だってできるわ！｣
｢へぇ、そうかい？ははっ、それなら、｣

ポッターはヒョイと箒に飛び乗った。

｢これを取りに来れるかな？｣
｢...いつの間に...！｣

ポッターの手には、私のローブに入っていた手帳があった。

｢さぁこれをどこに置いておこうかな？城の上？天文台の塔の上？禁じられた森の木の上でもいいなぁ。｣
｢おっ、いいなジェー。俺も行く！｣

シリウスまで。

｢Aあいつらの挑発に乗っちゃ駄目よ！｣
｢私がお馬鹿さんみたいに軽々しく箒に乗るとでも？｣

私はとてもスリザリンらしい笑みを浮かべた。

｢アクシオ・手帳。｣
｢うおっ！｣
｢ジェー！｣

サッと杖を出して唱えると、ポッターは引っ張られた日記にバランスを崩し、数メートル落下する。

ポッターは日記を離し、空中で1回転して地面に降りた。

｢A...許さねぇぞ...｣
｢さすが腐れスリザリン、手段を選ばないんだね。この僕が怪我をしても良いってこ｢ポッター！｣

唐突に、マクゴナガル先生の声がした。

｢まっ...マクゴナガル先生！？｣
｢ポッター、ついてきなさい。｣

慌て出したポッターは、本当に見ものだわ。

｢待ってください先生！ジェーは悪くないんです！あいつが...｣
｢ブラック、女性にあいつとはなんですか！｣
｢でも！｣
｢しつこいですよ。ポッター、早く来なさい。｣

でも、気のせいかしら。

マクゴナガル先生の目が、キラキラと輝いているのは。