Cor Leonis et Mare (ページ19)

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16＿水の光ページ19

～ホグワーツ魔法魔術学校～
「セブ！おはよう！」

セブ、と赤毛の少女に呼ばれた少年は、振り返って少女に笑顔を向ける。
……しかし、昨日起きた事故と、その事故の後に少女が放った言葉を思い出し、瞳に少し影が落ちる。

「リリー、おはよう。……本気であいつと仲良くなるのか？」

「ええ、勿論よ。だってあんなに可愛いんだもの！友達にならなくちゃ！！」

目を輝かせ、力説するリリー。
何を言っても無駄だと考えたセブルスは、そっと目をそらす。

「……あいつならもう大広間に行ってると思うぞ」

「えぇ！？どうしてそれを早く言わないの？行きましょう！」

☆★☆
【Aside】

「おはよう、A！」

が声のした方に目を向けると、長い赤毛を空中に踊らせ、こちらへ走ってくる少女と、それに仕方なく、という雰囲気でついてきている少年が目に入る。

エバンズと、スネイプ……。
どうしてこんな朝早くから私に話しかけるのかしら。
昨日の調合はとても良くできていたから、エバンズは優秀なんでしょうね。
まぁ、名前を呼ぶのはともかくとして、朝の挨拶なんて……

1人でじっと考えていると、いつのまにか目の前に来たエバンズが顔を覗き込んでいる。

「……なんですか、エバンズ」

「まぁ。エバンズ、なんて硬い呼び方しなくても。今私が貴女を名前で読んでも注意しなかったのだから、少しは私に心を許したんでしょ？」

まさかそんな些細な行動の違いによって心を読まれているなんて。
……というか、答えてもらえてないわ、それじゃ。

「……心を許したわけでは……。まず、質問に答えてください。どうして私に挨拶をするのですか？」

「あら、いけないの？同じ学年なのだから、寮は違えど挨拶くらいは普通よ。私とセブだって毎日挨拶してる」

それは幼馴染みだからだろう、というスネイプの呟きが耳に入る。
エバンズはなんだか目が輝いて見えるのだけど……。
一体何を考えているの？