Cor Leonis et Mare (ページ13)

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10＿舞咲優陽ページ13

長い汽車の旅が終わった。

｢イッチ年生！イッチ年生はこっちだ！｣

あれは...半巨人？かしら。
普通の人間にしては大きすぎるもの。

...この道、整備できないのかしら。

城の下でマクゴナガル副校長という厳格そうな顔つきの女性に私達を任せられ、小部屋で説明を受けた。

しばらくして、大きな拍手に迎えられて大広間に入った。
天井では美しい星(もどき)が輝いている。

組分け帽子の歌は散々だったわ。
どうして｢狡猾な｣スリザリンなの？
グリフィンドールが贔屓されているみたいだわ。
あぁ、どうせ校長がグリフィンドール出身だからなのね。

｢ABC順に名前を呼ばれたら、帽子を被って組分けを受けてください。...アレン・ウィリアム！｣
｢レイブンクロー！｣
｢ブラック・シリウス！｣

シリウスだわ。
悪い予感が当たりませんようにっ...

｢...グリフィンドール！｣

大広間がどよめいた。
当のシリウスは得意気にグリフィンドールのテーブルに歩いていった。

｢...血を裏切る者め。｣

つい呟いてしまったのは、仕方のないことでしょう？

「エバンズ・リリー！｣
｢グリフィンドール！｣

まぁ妥当ね。スネイプはとても悲しそうな顔をしているけれど...
きっと、すぐに一緒にいられなくなるわ。

そして、何人もの組分けの後、

｢ラピスラズリ・A！｣

私が呼ばれた。
背筋を伸ばし、ゆっくりと歩いて椅子に座る。

｢ほう、ラピスラズリの子か。｣
｢...早くおっしゃってくださる？スリザリンよ。｣
｢まぁそう焦るでない。君には叡知や勇敢さがある。そして身内と認めた者には非常に優しい。難しい...非常に難しい。｣

すぐに決まらないので、スリザリンのテーブル...いや、特にお兄様が慌てているように見える。

｢グリフィンドールなんて...どうだ？｣

その言葉に、私は半分キレた。

｢家に逆らう気なんてないわ。｣

｢よろしい...では、スリザリン！｣

拍手が起こる。

少し挑発まがいなことを言われただけで怒るなんて貴族としてあるまじきことだったわ。

反省しながらスリザリンのテーブルに向かい、お兄様の隣に座った。

｢ずいぶんと長かったな。どうした？｣
｢帽子がグリフィンドールはどうかと駄々をこねたのです。スリザリン1択ですのに。｣
｢それは災難だったな。｣

ふと前を見ると、パールグレーが目についた。

レギュと似ているのに似ていない、睨み付けるような目。

私は気にせず、組分けが終わるのを待った。

ハリーお誕生日おめでとう！