所詮は他者の想いのオモチャであるが、とりあえず自由に生きる。━6

第２４２話 ページ18

KILLER「俺が初めての勝ち逃げか？」

「初めての勝ち逃げ…嫌だろ」

何度かそのやり取りをしていると、NIGHTMAREがKILLERの頭を触手で強く叩き、壁へと打ち付けた。

NIGHTMARE「キラー。自分のナイフ(玩具)を早く、回収して来い」

「そんなに強くしなくたって良いだろ」

KILLERは「いッてぇ」と言いながら立ち上がり、腹を手で押さえながら飛んだナイフの方へと歩いて行く。

NIGHTMARE「異形(イレギュラー)。お前、キラーに何をした？」

「…何をしたって、ナイトメア。その足元にある銃があるだろ？ その空砲をドタマに向けて撃った。それだけだな」

そう言いながら、自身の頭のこめかみを右手の人差し指で突く。

NIGHTMARE「キラーの頭にか？」

「ああ。空砲だからな、怪我はないと思う」

と、言いながらAはナイフを振り翳してくるKILLERを避けると腕を掴み上げた。

「危ないだろ」

KILLER「これも駄目なのかよ」

NIGHTMARE「そんなのに構ってる暇はないぞ」

NIGHTMAREはそう言うと、黒い沼のようなポータルを床に作り出す。

そのポータルを確認したAはKILLERの腕から手を離すと、KILLERはナイフを回しながらポータルへと入る。

Aも同様、すぐに入ろうと歩を進めようとしたが2歩ほど進んだ所で足を進める事を止め、転がっている軍服などを眺めた。

NIGHTMARE「異形(イレギュラー)、何か思う事があるのか？」

「ナイトメア…嫌…ここは多分、…ニンゲン同士の争いが原因で滅んだAU(世界)だろうなって…モンスターは、その争いに巻き込まれたんだろうな」

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