39話 ページ49
「こっち、A!」
『あっ…こんばんは』
待ち合わせ場所につくと、手招きしている友人に会う。
今から行くところはどうやらドレスコードが必要なようで、二人ともキッチリとした服装である。
彼女の握りしめていた手には、そのレストランのチケットがあった。
『久しぶり、元気だった?』
「うん元気。そういえば会うのは久しぶりだったね。実感ないわ」
『電話越しが多かったからね』
「ええ。じゃ、いこっか」
久しぶりの友人に沈んだ気持ちは少し晴れ、二人は談笑をしながら歩いた。
大抵愚痴やら文句やらを言う友人は専ら話し役で、Aは聞き役だったが、今日はAが話し役だった。
『…でね、なんかよくわからないんだけど、カラ松くんがレンタル彼女をやってるって……』
「何それ、Aがいるのにまだ足りないわけ?そのカラ松っていう男一発殴りたいわ」
『ま、まあまあ……でも、なんでだろうね』
「A…」
寂しそうな顔をするAに、彼女はやっぱり会う機会があったらぶん殴ってやろうと物騒なことを思った。
そうしてレストランに着き、綺麗で美味しい食事を食べていると、Aの手がぴたりと止まった。
「………A?」
その目は見開き、だんだん涙が今にも落ちそうなぐらい、涙の膜に覆われてきている。
怪訝に思った彼女は視線を騒ぎの方へと移した。
『カラ、松くん………』
そこには、鼻の下を伸ばす六つ子と二人の美人な女性がいた。
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サトー(プロフ) - ありがとうございます!面白いと言っていただけるなんて… (2017年10月6日 22時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
女神の姉 - とっても面白いですね!!私の小説とは全然違う (2017年10月6日 21時) (レス) id: 86900be108 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - Ririn☆さん» コメントありがとうございます。胸キュンですか、光栄です! (2017年4月4日 10時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
Ririn☆ - 胸キュンぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ (2017年4月3日 23時) (レス) id: 4ed4e75004 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます。更新はなるべく頑張ります! (2017年3月29日 9時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サトー | 作成日時:2015年12月30日 20時