33話 ページ43
目の前の光景に、カラ松は絶句し目眩を覚えた。
猫を連れている一松と笑顔溢れる兄弟。
並んで仲良く夕焼けの中を帰っているその様子は、一見ただの幸せそうな家族だ。
でも、そこに次男カラ松という存在は無い。
やっぱり、俺なんてどうでもよかったんだ。カラ松は泣いて叫んだ。
「扱いが全然違ァァァう!!」
『…カラ松くん、傷に、響いちゃうよ』
叫んだカラ松を心配したAも、どこか絶句した様子で彼らを見やる。
生まれてくる順番は違うとはいえ、同じ日に生まれてきた、ほとんど自分自身…まるで分身のような存在なのに。
兄弟がいない自分には分からないけれど、そこまでするのかとAは思う。
いつものかっこつけはどこへやら、素であるカラ松はわんわんと子供のように泣く。
それがいつかのAのようで、こんな気持ちだったのかな、なんて。
きゅっと唇を軽く噛んだ。
『……大丈夫、じゃないよね。今日はうちに泊まる?』
「ん……いや、いい。めいわく、かけたくない」
『迷惑だなんて…!』
「いいんだ。……A、ありがとう」
すんすんと鼻を鳴らしながら一人帰っていく恋人の姿を目で追ったAは、せめて送っていこうと駆け出した。
__
5話つらすぎェ…
ちなみにここで泊まることになると、もれなくカラぴが依存ルートに入るよ!やったねAちゃ……やめよ
↓オマケ
「A、A、なぁ」
「…君だけは俺を」
「見捨てないでくれるよな?」
怪我も完治したというのに君の側を離れたくない俺を、誰よりも優しすぎる君は嫌うのだろうか。
嫌ったところで、俺は君と離れるつもりなんてないけれど。
ただ、戸惑う君と二人きり。
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サトー(プロフ) - ありがとうございます!面白いと言っていただけるなんて… (2017年10月6日 22時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
女神の姉 - とっても面白いですね!!私の小説とは全然違う (2017年10月6日 21時) (レス) id: 86900be108 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - Ririn☆さん» コメントありがとうございます。胸キュンですか、光栄です! (2017年4月4日 10時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
Ririn☆ - 胸キュンぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ (2017年4月3日 23時) (レス) id: 4ed4e75004 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます。更新はなるべく頑張ります! (2017年3月29日 9時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サトー | 作成日時:2015年12月30日 20時