1話 少女 ページ1
人の怒鳴り声が聞こえる
人の泣き声が聞こえる
人の叫び声が聞こえる
人が殴られる音が聞こえる
人が刺される音が聞こえる
人が斬られる音が聞こえる
少女は音が聞こえない様に、耳を必死に塞ぐ。しかし、それでも沢山の音が耳に届く。
「………！……………！！」
「……………！？…………！！」
外で最も親しい者の声が聞こえた。少女は恐る恐る外を見る。
少女の眼に映ったのは……………
………………………赤だった…………
何人もの人が倒れている。先程まで息をし、怒鳴り、泣き、叫んでいた人。
多くの人が死んでいた。
その中を少女は走る。必死に走る。途中で死体に躓き転んでも、飛んでくる手裏剣やクナイが頬を掠めても、眼は一点を見つめていた。
…………両親が戦っている所を…………
二人は、既に身体中から血を流していた。それでも、襲ってくる“同じ一族”………自分の親と戦っている。
「止めて…もう……止めて…………」
少女の小さい声では、彼等には届かない。
グサッ ザシュッ
「？！？！？！」
眼を見開く少女。眼には、両親が斬られ倒れていく様子が映っていた。
二人は倒れながらも、相手を斬る。
「っ……ぁ……とーさん？かーさん？」
手を伸ばすも届くことはなく、地面に倒れる父と母。
「ぅ…ゴメンな……チトセ……」
「ゴボッ……貴方を一人にさせてしまう…」
息も絶え絶えに話す両親。チトセは涙を流しながら、両親の手を握る。
「……ぃやだ…一緒にいて……」
「……人は……死ぬんだ、必ず……ゲボッ……お前は……まだ死ぬな！ﾊｧﾊｧ」
「…生きるのよ………私達の…分も……」
チトセはこれが最後の言葉だとわかったのか、泣き声を噛み殺しながら頷く。
「…これを……いざというとき…に………つ…かえ」
「名字を…名乗らずに……するのよ？……眼も…バレない……よ……う…に」
スッと力が抜ける。
「ぅぅっ……うわああああ！！」
生きているのはチトセだけ。一人しかいないこの場所で、暫く泣き声が響いていた。
泣き止んだ時、辺りは闇に包まれていた。チトセは二人から離れると、受け取ったものをしっかりと抱き、その場を後にする。
集落の出口で一度振り返った。
「…とーさん…かーさん…チサト……皆の分まで生きるよ…また、戻ってくるから！」
勢い良く走り出す。出口を出たら、もう振り返らなかった。
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あずきいろ
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銀狼＆銀狐(プロフ) - チマさん» ええですよ！ボードの方にお邪魔さしてもらいますね！詳しいことはそちらで！迷惑は僕もかけると思います (2020年9月29日 16時) (
レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
チマ(プロフ) - 銀狼＆銀狐さん» 良いんですか？合作は初めての事なので、迷惑をかけることがあると思いますが、是非よろしくお願いします。 (2020年9月29日 16時) (レス) id: 7eee6b33ed (このIDを非表示/違反報告)
銀狼＆銀狐(プロフ) - チマさん» いえいえ、面白かったのでコメントいっぱいありそなのに僕がまさかの初コメでびっくりしましたwもし良ければ、合作などしませんか？嫌でしたら断ってください！強制じゃありませんから)^o^( (2020年9月29日 12時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
チマ(プロフ) - 銀狼＆銀狐さん» ありがとうございます！これからも楽しんで頂けるように頑張ります！ (2020年9月29日 12時) (レス) id: 7eee6b33ed (このIDを非表示/違反報告)
銀狼＆銀狐(プロフ) - 面白いです！続き、楽しみしてますね！！更新は無理せず頑張ろう (2020年9月29日 12時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チマ | 作成日時：2020年4月28日 17時
