検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:165,205 hit

24.遊び? ページ26

気が付けば、私は眠っていた様だった。
牢の中で眠るとは……緊張感が無いばかりか、ただの莫迦だね。

牢に格子窓等は無い為断定はできないが、きっと今は朝頃だろう
硬い床からなんとか起き上がろうと身体を動かす。

「嗚呼、起きた?おはよう」

太宰さんは何故か何時もより元気そうだった。
探偵社で書類仕事をしている時の方が余程怠そうだ。

「おはようございます。」

腹筋によってなんとか起き上がり、壁にもたれかかる。
ただ、矢張り遣る事は無いのでぼうっとしていた。
探偵社の方は今頃どうしてるかな……

「そういえば、Aちゃん」

「はい」

太宰さんが、此方を向く。
私は嫌な予感なしてならなかった

「Aちゃんが小さくなった時……何故君は外にいたんだい?」

「……さあ。何故でしょう」

急に何故……と問われても、私には答えることが出来なかった。
必ずボロが出るから。それなら、はぐらかす方がいいだろう。

それから太宰さんは深く追求したりはしなかった。
ただ、またぼーっとしている気にはならなかったので、太宰さんに少し聞いてみることにした。

「……

太宰さん」

「どうしたの?」

私は1度じっと太宰さんの顔を見つめた。

「相談なんですが……
如何したら太宰さんは真面目に働いてくれますかね。」

「え」

これは流石に太宰さんも予想外だったようだ。
驚いている太宰さんを気にする素振りを見せず、私はそのまま淡々と続ける。

「太宰さんの事務処理嫌いは分かっています。というかただ面倒なだけですよね。ただ、それが国木田さんや事務員なんかに飛び火するんですよ。
この間なんかも敦くんが調査結果書いてましたし、私だって太宰さんの分の事務処理引き受けて帰りが遅くなって与謝野さんに怒られましたし。」

「え、一寸」

その太宰さんの顔は何ともレアな顔で、是非とも国木田さんに見せたいと思った程だった。
まあ、何時も苦労している国木田さんの分の仕返しといったところかな。

「何ですか?」

「それ……私で遊んでるよね?」

「さあ、如何でしょう」

苦々しい顔をする太宰さんに、私は笑顔で返す。
少しやり過ぎたと思わなくも無いが、後悔はしていない。

「……Aちゃんって、偶に辛辣だよね」

「ありがとうございます」

少し楽しいと思った。

25.幹部→←23.牢



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (242 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
424人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います!更新させていただきました! (2018年5月14日 16時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません!沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです!応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです! 次の話を期待して待機してます(●´ω`●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月城捺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年10月14日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。