什漆 ページ19
「いやぁ、中々良い作品になったんじゃないかい? 食べられないのが勿体無いけれども。」
「ヒョヒョヒョ、本当に素晴らしい芸術作品になりましたねぇ。私の最高傑作がまた一つ増えましたよ。」
「うんうん、ところで其処の君。何用だい?」
「お前達を、斬りに来た。」
「流石柱だ! 上弦の鬼 二人を前にして尚、全く恐れを見せないのは、怒りで頭が一杯になっているからかなぁ。」
「お前が、あの子を殺したのか?」
「ええと、確か薺ちゃんだっけ? 抵抗されたから、拘束して一枚一枚爪を剥いでいったんだけど、中々鬼殺隊の情報を吐いてくれなくてね。」
「黙れ。」
「結局爪が無くなっちゃったから手足を千切ってあげたんだ! そうしたら、ずっとAちゃん助けて、って泣き叫んでねぇ。本当に、可哀想な子だよ。ずっと助けを呼んでいたのに、結局力尽きちゃった。」
「黙れと言っている!」
地を強く蹴り、奴等に向かって刃を振るう。
頭から血をかぶった様な風貌のその鬼は、懐から対の扇を取り出す。そしてそれを此方に向かって振った。
見えない斬撃が、視えた。
それを体を捻って交わしつつ、奴等との距離を更に縮める。
「ヒョヒョヒョ! 是非ともコレクションに加えたい!」
血鬼術 蛸壺地獄
壺から、巨大な蛸の足が伸びて襲い掛かってくる。
「絶対に、赦さない!」
全集中・暉の呼吸
それは祭具を両手で握り、舞台を駆け巡るように祭具を翳しながら地を舞う舞い。
一瞬で全ての足を斬り刻み、壺へ刃を振り下ろす。
「俺の事も、忘れないで欲しいなぁ。」
血鬼術 寒烈の白姫
氷で出来た二体の女が、息を吹きかける。その瞬間空中に舞う、何かが視えた。
あれを吸ってはいけない。勘に従い、息を止め、
肺に残った僅かな酸素で技を繰り出し、その場を飛び退く。
「へぇ、勘が良いねぇ。吸っていたら今頃動けなくなっていただろうに。」
鬼は扇を口に当て、ほくそ笑む。ぞくりと悪寒が走ったが、決して恐れは見せない。
「私を、あまり甘く見るな。」
これでも鬼殺隊の頂点に立つ、柱の一人だ。刀を構え直し、奴等を見据える。
「…冷静さを失っている訳では無さそうだから、何か策がある、って事かなぁ。」
無言で、構えを取る。
大きく、大きく息を吸って、順逆双方に交互に旋回した次の瞬間、
全解放・暉の呼吸
世界から、色が抜け落ちた。
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mikki-(プロフ) - 酸漿さん» ひぇ……お友達さん絵が上手すぎやしませんか????貴方の作品もお友達さんの絵も好きです応援してます!! (2019年7月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - mikki-さん» 友達が書いてくれたものです。登場人物紹介に載せているのは、角&耳っこメーカー様からお借りしたものです。紛らわしくてすみません。 (2019年7月29日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - 初めまして。質問なのですが、表紙のイラストは酸漿様が描いたものなのですか?教えて下さい (2019年7月29日 18時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 金糸雀さん» その通りです。夢主の母を鬼にしたのも彼です。彼は自ら会いに来るまでは待つ、という約束を律儀に守っています。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - まさか、過去の話に出てきて鬼は上弦・壱ですか? (2019年7月7日 1時) (レス) id: 359e27b0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年6月16日 19時