什壹 ページ13
「ええと、煉獄さん。お待たせしました。」
ゆっくりと進み出る。彼は黙ったままだ。
「似合って、いますか…？」
「……」
沈黙が、重い。
『A様は、胸元は煌く銀のグリッターで上品に、アクセントとして洒落た赤い濃淡の巻き薔薇を配したこのドレスにしましょう！』
『髪は緩い夜会巻きにしました。髪飾りは華やかに咲き誇る一輪の薔薇を象り、可憐な印象に仕上げた銀簪にしましょう。』
『私は簡単に舞踏会のマナーをお教えしましょう。まず、社交ダンスの手解きから致しましょうか。』
沙原姉さん、衿那ちゃん、橙子ちゃん。本当に有り難う。でも煉獄さんが目を見開いたまま動かないんです。…どうしましょう。
「やっぱり、似合っていませんか…。」
「いや、その逆だ。余りにも似合いすぎて、つい見惚れてしまった。」
「………え、」
「うむ、これでは悪い虫が付きそうだな。よし、分かれて捜索するのではなく、俺がエスコートすることにしよう！」
「え、ええと、煉獄さんも似合っています。」
彼は白の蝶タイに燕尾服を着こなしており、それは彼の美貌を引き立たせていた。
「それは嬉しいな。それじゃあ、A。行こうか。」
手を、差し出される。
戸惑いと恥ずかしさから躊躇すると、彼は柔らかく笑った。
「今夜、俺達は都会に住む仲睦まじい夫婦だ。これぐらいの事をしなければ、怪しまれるだろう？」
…そう言われると否定できない。おずおずと、その鍛え抜かれた分厚い手を握った。
「何だか、本物の恋人になったみたいだな！」
…どうして今それを言うんですか。真っ赤になった頬を隠す為 顔を背ける。
「A、綺麗だぞ。」
…きっと貴方は私を妹のような者だと思っているのでしょう。だからその言葉に深い意味はないと分かってはいても、
その笑顔は、言葉は心臓に悪いです。
「もう、早く行きましょう！」
そっぽを向いたまま、彼の手を引く。
きっと今彼は溢れんばかりの笑顔をみせているのだろう。でもこれ以上は胸の高鳴りが止まらなくなりそうで、見ることは出来なかった。
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mikki-(プロフ) - 酸漿さん» ひぇ……お友達さん絵が上手すぎやしませんか？？？？貴方の作品もお友達さんの絵も好きです応援してます！！ (2019年7月29日 19時) (
レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - mikki-さん» 友達が書いてくれたものです。登場人物紹介に載せているのは、角&耳っこメーカー様からお借りしたものです。紛らわしくてすみません。 (2019年7月29日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - 初めまして。質問なのですが、表紙のイラストは酸漿様が描いたものなのですか？教えて下さい (2019年7月29日 18時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 金糸雀さん» その通りです。夢主の母を鬼にしたのも彼です。彼は自ら会いに来るまでは待つ、という約束を律儀に守っています。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - まさか、過去の話に出てきて鬼は上弦・壱ですか？ (2019年7月7日 1時) (レス) id: 359e27b0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：酸漿 | 作成日時：2019年6月16日 19時
