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什貳 ページ14

煌びやかな装飾が施された扉を開けると、其処は別世界だった。


「これが、舞踏会…。」


着飾った多くの人が華やかに舞い踊り、西洋の菓子やワイン等が至るところに並んでいる。


涎が垂れそうになるのを我慢し、然り気無く壁に凭れかかった。


「この舞踏会の主催者が怪しいとの事でしたね。」


「うむ。だが誰かが分からないな。地道に気配で探すしかなさそうだな!」


「よし、それじゃあ早速…」


「ちょっと待ってくれ。」


「どうしました?」


「…君は少しぐらい自覚を持て。」


「え、何のですか?」


「いや、今の話は忘れてくれ。取り敢えず俺も探しに行こう。」


二人で、然り気無く会場を回る。偶に漂ってくる鬼特有の気配を頼りに、目星を付けていく。


「恐らく、彼ですね。」


視線の先にいるのは、バルコニーで周囲の人と談笑する 茶髪が特徴的な美青年。彼から鬼特有の気配がする。


流石に人前で斬る訳にはいかない。上手く騙して外に連れ出す為、作戦として私が彼に声をかけようとしたその時だった。


「お嬢さん、其処は冷えませんか。」


しまった、一般人に声をかけられてしまった。


お気遣い有り難うございます、そう言おうとしたが腕を捕まれてしまう。


「宜しければ中で…」


ちらりと鬼の様子を伺う。彼はその場から離れようとしていた。


…不味い。見失ってしまう。




「妻の体を心配して頂き(かたじけ)ない。仰る通り今宵は風が冷たい。A、先にお戻り。」




彼の言葉に小さく頷いて、その場を後にする。


危なかった。本当に見失う所だった。


それにしても流石煉獄さんだ。あんな機転の効いた言葉、普通なら出てこないだろう。…後でお礼を言わなければならない。


気持ちを切り換え 自然を装って、鬼に近付いて行く。


「おぉ! 貴方のような美しい方からお誘いがくるとは嬉しいなぁ!」


彼は私に気付き、嬉しそうに近寄ってくる。


「さぁ、美しい方よ。私の庭園で共に踊ってくれまいか?」


其処で事を済ませる気だろう。普通の女性を装って、嬉しそうに頷いてみせた。


「それでは、早速行こう。」


手を引かれ、連れてこられたのは薔薇の庭園だった。


…そして此処から血の匂いがする。


「この薔薇なんて、特に綺麗だろう?」


その手には、赤黒い薔薇が握られている。


「若い女の血で染めたんだよ。」


全集中・炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天


闇に輝く紅い刃が、目の前を過った。

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mikki-(プロフ) - 酸漿さん» ひぇ……お友達さん絵が上手すぎやしませんか????貴方の作品もお友達さんの絵も好きです応援してます!! (2019年7月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - mikki-さん» 友達が書いてくれたものです。登場人物紹介に載せているのは、角&耳っこメーカー様からお借りしたものです。紛らわしくてすみません。 (2019年7月29日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - 初めまして。質問なのですが、表紙のイラストは酸漿様が描いたものなのですか?教えて下さい (2019年7月29日 18時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 金糸雀さん» その通りです。夢主の母を鬼にしたのも彼です。彼は自ら会いに来るまでは待つ、という約束を律儀に守っています。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - まさか、過去の話に出てきて鬼は上弦・壱ですか? (2019年7月7日 1時) (レス) id: 359e27b0ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年6月16日 19時

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