これから先 ページ2
No side
ダイヤ「どういうことですの!」
理事長室にダイヤの焦燥に駆られた声が響き渡る。
目の前に突きつけられた真実が信じられないようだ。
西島「書いてあるとおりだよ。
沼津の高校と統合して、浦の星学院は廃校になる。
わかってたことでしょ」
「それは、そうですけど……」とダイヤは何か言いたげだが、それから先は出てこない。
西島「ただ、まだ決定じゃない。
まだ待ってくれとお願いしてるから」
ダイヤ「あなたが……」
西島「なんのために理事長になったと思ってんの。
この学校は絶対に無くさない。俺にとって大事な場所だから」
ダイヤ「方法はあるんですの?入学者は少子化の煽りを受けて、どんどんが減っているのですのよ」
西島の熱意に水を差すかのように、ダイヤは言った。
3年生は3クラスあったのに対し、2年生と1年生のクラス1クラスしかないのだ。
このままでは経営が傾いてしまうのは、西島も薄々気づいていた。
西島「だから、スクールアイドルが必要なの。
あの時も言ったように、俺は決して諦めない」
ダイヤは西島を一瞥する。
「……私は、私のやり方で廃校を阻止しますわ」と言い放って理事長室を後にした。
西島「……ダイヤは本当に好きなんだね、秀太が」
彼はいつの間に背が伸びた彼女の後ろ姿を見て、ため息をついた。
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作者名:西木野海未 | 作成日時:2021年4月4日 11時