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Ep.80 何も無さそうだね ページ30

「じゃあ、またねー!お姉さん!」

「またね、みんな……ああそうだ、哀ちゃん」

「なに?」

「ありがとう。なんか、ちょっと解決……?というか、ひと段落ついたんだ、おかげさまで。だから、ありがとね」


哀ちゃんは私の柔らかい(たぶん)笑顔を見て、納得したように頷いてみんなについて去っていった。

……で、さっきインターホンを押してくれた奴だが。



「……何隠れてんの、うっつー」


そう言うとドアの裏から、見慣れた顔がひょっこりと出てきた。そしてにへっと笑う。


「いやー……お邪魔しちゃったかなーって?体調どう?生きてる?」

「死んでるように見える?とにかく入りなよ、ってマスクしないと風邪──」

「おっじゃましまーす!」

「聞けぃ!!」



先ほどと同じ部屋に案内してお茶を出す。「さんきゅー」と病人の私を気遣う素振りは一切見せないうっつーだが、私だってお茶を出す価値もない人間にわざわざ重い足引きずって出したりしない。

そういう距離感が今も尚ちょうどよかった。



「そういえば桔梗、キッドキラーたちはお見舞い?」

「ああうん、さっきまでこの部屋で喋ってたよ」

「……へぇ」


スッと目を細めて、今度は舐めるように部屋の細部までも見渡していた。

さすがに気になり、聞いてみる。



「……この部屋に何かある?」

「いいや。何も無さそうだね、良かった」


うっつーはそう、不思議な口振りで言う。

私もつられて部屋をくるくる見ていたが、彼女に視線を戻せば口元は弧を描いていた。

それを見て、ゾッとする。だってこれは 、「笑う」なんてものではない。

もっと、おぞましくて、歪んだ──……



「良かった、って──」




カシャ。


嫌な、重い音。呼吸が、止まる。





今、たった今、目の前にある光景を、私はまだ夢を見ているのだとしか思えなかった。


黒鉄の拳銃を私の額に向けていたのは、紛れもなく私の相棒、内海千世だったのだから。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



新作というか、ふと思いついたストーリー書いてみました。コナン出てこないけど新一めっちゃ出てきます。むしろ新一しか出てきません。

ちなみにほろにがクラゲさん、割と箱推しだけど緋色組と世良ちゃんと哀ちゃんが好きです。っていうか女の子みんな可愛いよね。え?新一?早く帰ってこいよ(無茶ぶり)

原作前夜の純黒な夢【名探偵コナン】

Ep.81 話す必要なんて無いよね→←Ep.79 もう一度死んだって



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- 絵上手いですね!話も面白いし! (2018年5月5日 11時) (レス) id: f39fd1d36e (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - えっ!嘘だろ千世ちゃん!いつも楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます! (2018年2月18日 0時) (レス) id: 26cba6f424 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 続きが気になる! (2018年2月17日 14時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
星鴉(プロフ) - 面白いです!!続きが気になります!!更新楽しみにしてます! (2018年2月17日 11時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になります! (2018年2月16日 10時) (レス) id: 229e64c922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2017年10月18日 11時

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