Ep.51 オオカミ娘 ページ1
「やあコナンくん、おはようございます。うっつーが忙しいってんでコナンくん家へ遊びにまいりました」
「そういう事じゃなくてね……」
しゃがみ込んで目線を合わせ、敢えて白々しく言葉を返すも、コナンくんは相変わらずつめたーい感じ。
すると部屋の中にいた蘭ちゃんが私に気付いたようで困惑の声を上げる。
「あ、あれ?Aちゃん?どうしたの?」
「蘭ちゃん、おはようございます。いやあ何ということはなく、ちょっと遊びに……。」
「おい蘭、なんだそのガキ?小僧の知り合いか?」
「ああ、この子は……」
依頼人じゃないと悟ったらしい毛利小五郎、なんだかとてつもなくこの野郎態度が悪い。
本人目の前にして「このガキ」だと……?
まあ……見た目は特にガキだけど。
「初めまして。先週……ん?先々週?まあいいや、この辺りに越してきた桔梗と申します。コナンくんの大親友でーす」
「懲りねぇな……」
「口が悪いぞー、コナンくん」
このおっちゃんもやる時はやると知ってるから、けして嫌いではない。というか嫌いなキャラなどいるものか。いや、いない。
そもそもあの大悪魔ジンがかっこいいんだから使い捨てキャラはともかく苦手な主要キャラなどいるわけが……
「っていうか、なんでそんな所で隠れてたの?遊びに来たならそう言えばいいのに……」
と、不信感丸出しでじとっと睨みつけられる。
ああそうだった。そういえば私はなぜだかいろんなことを知ってる素性の知れない怪しいヤツだった()。
「……名探偵が大事な話をしてないか、こっそり聞くため……」
「じゃなくて?」
「だって依頼人がいたら迷惑じゃん。この私が珍しく気を遣ったのにひどいんじゃないコナンくん」
いや、今のはひどいと思う。
意味深な笑みを浮かべて怪談話でもするように言ってみせたら、刹那の間も空けずに呆れた様子で聞き返された。君のような勘のいいガキは嫌いだよ。
「あのさ……、オオカミ少年って知ってる?」
「嘘ばっかりつきすぎて真実を信じてもらえなくなるやつね」
「そうなるとは言わないけど、A姉ちゃんと限りなくそっくりだと思うよ……」
「ああ、嘘をつくのが趣味って?」
私はさしずめオオカミ娘と言ったところ……
って、妖怪かっつの。
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凛 - 絵上手いですね!話も面白いし! (2018年5月5日 11時) (レス) id: f39fd1d36e (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - えっ!嘘だろ千世ちゃん!いつも楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます! (2018年2月18日 0時) (レス) id: 26cba6f424 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 続きが気になる! (2018年2月17日 14時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
星鴉(プロフ) - 面白いです!!続きが気になります!!更新楽しみにしてます! (2018年2月17日 11時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 続きが気になります! (2018年2月16日 10時) (レス) id: 229e64c922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2017年10月18日 11時