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_________4月。
私は幼なじみのしんちゃんと帝光中学校に入学した。
しんちゃんはバスケ部に入ると言っていたから私はマネージャーやろうかな〜なんて思っていた。
ここのバスケ部は強く、一軍、二軍、三軍に別れている。もちろん、マネージャーも別れているらしい。
マネージャーのテストは軍振り分けテストをしている選手の記録を見たり、ドリンクを作る。ただそれだけだった。
選手として入部する人も多かったが、マネージャーの数も異常に多い。後からわかったが、顔目当ての女の子ばっかりだった。
一軍に担当になったのが、私とさつき。最初は可愛い女の子と一緒で嬉しかったが、さつきの情報収集能力はとても凄く、みんなから頼られていた。それに対し、私は個人メニューを作ったり、ドリンクをその人好みに作ることしか出来なくて少し辛かった。
「今日も試合勝てたねしんちゃん。」
「当たり前なのだよ、人事を尽くしているのだからな。」
「ふふ、そうだね、しんちゃんはいつも真剣にやってるもんね!」
そして時が経ち、2年生に。
2年の夏、征に告白された。私は友達としてしか考えられなくて最初は断った、けど、『好きにしてみせるから付き合ってくれ』と真っ直ぐな目で言われ、断れなかったのだ。
付き合って、征は優しくてかっこよくて、いつでも私のことを考えてくれる王子様みたいな、そんな存在になってしまった。私は好きになれずに、時間だけが経ち、付き合って半年が経とうとしていた。
「赤ち〜ん、俺も練習来なくていい〜?」
「だめだ、紫原。」
「俺より弱い人の言うこと聞きたくないんだけど〜」
「…なに、俺が弱いとでも言うのか。」
「今の赤ちんになら勝てると思うよ〜」
そして、2人の1on1が始まった。
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作者名:なの | 作成日時:2021年4月5日 0時